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ファイナンスの知識が必要な理由
私は、大手IT企業の経営企画に従事しています。中小企業診断士の資格を保有しています。
最近は、お取引先の財務分析や投資効果の資料作りを任せられる機会が増えました。
ファイナンスとは、将来の費用対効果を見積もるものであり、事後数字である管理会計とは大きく異なります。つまり、将来を予測するために必要な領域です。
ただ、専門用語や計算式も多く、とっつきにくい分野であり、理解するにはなかなか苦労します。そうしたときに見つけたのが「ざっくりわかるファイナンス」という本です。
この本では、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書をわかりやすく整理した上で、ファイナンスとは何かが説明されています。
非常にわかりやすく読みやすい書籍だと感じたので、おすすめします。
・著 者: 石野雄一
・出版社:光文社新書
・定 価:720円(税別)
この1冊でファイナンスが理解できる
この本はこんな方におすすめです。
・そもそもファイナンスとは何かを知りたい
・ファイナンスとアカウントで混乱している
・投資効果等を求められる業務に従事している
本の内容としては、タイトル通り「ファイナンスとは何か」が書かれています。
目次
・会計とファイナンスの違い
・ファイナンスの基礎
・お金の時間価値
・会社の値段
・投資の判断基準
・お金の借り方・返し方
この本の良いところは、ある程度勉強した人にはかなり読みやすく、具体的に解説されているところです。
読んでみて一番良かったところは、会計とファイナンスの違いの説明です。
また
・管理会計は「内部向け」
との説明があり、「なるほど」と理解が深まったのを今でも覚えています。
このあたりが理解不足であると、勉強していても、自分が何をやっているのか十分に理解しないまま計算することになりかねません。
この点が明確になったのは有意義でした。
「ざっくり分かるファイナンス」の活用方法
「ざっくり分かるファイナンス」の活用方法としては以下の2点があげられます。
中小企業診断士の二次試験対策に
中小企業診断士の醍醐味であるキャッシュフロー計算書の重要性やファイナンスとの関連性が説明されており、中小企業診断士の二次試験に効果的な本だと思います。
私自身もこの本を読んで二次試験の問題を解きやすくなりました。
また、そのような基礎的な内容以外にもWACC、NPV、MM理論、企業価値とは、などの説明があり、専門的な理解が深まります。
・NPV(Net Present Value):正味現在価値
・MM理論(Modigliani-Miller theory):モディリアーニ‐ミラー理論
おそらく初めて学習される方は悩まれるであろう、フリーキャッシュフローについても説明があります。
営業活動キャッシュフローと投資活動キャッシュフローを足したものと定義した上で、話が展開されていきます。
この本を読んで、自分の中で曖昧だった知識がかなり整理されました。
実務での投資効果の算定などに
また、仕事などの実践的な場面でも、
「あれ?NPV(正味現在価値)はそもそもどうやって計算するのか?」
「投資を考えるときの判断基準はなんだっけ?」
と忘れてしまった際の復習にも活用できます。
今現在、そうした実務に従事されている方でも知識の再整理にかなり活用できると思います。
ファイナンス以外のところで、そもそも
・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書
の関係性や、動きが曖昧な人にもおすすめです。
そもそも、ファイナンスを理解する上で三大財務諸表を理解していないと、フリーキャッシュフローの話ができなくなります。
また、投資対効果を見積もるNPV(正味現在価値)、企業価値のWACC(加重平均資本コスト)についても理解できません。
一生懸命、簿記を勉強したものの、イマイチ三大財務の関係性を理解できていない人には、再学習として大いに活用できる本です。
「ざっくり分かるファイナンス」のおすすめポイントまとめ
この本には
・NVPや企業価値など将来の予測手法
・投資の判断基準
などががわかりやすく書いてあります。
実務よりは理論的な側面が強いですが、今一度、ファイナンスを理解したい、理解を深めたいという方には非常に有効な本と思います。
半日あれば読み切れるボリュームなので忙しい方にもおすすめです。
この「ざっくり分かるファイナンス」をぜひファイナンスの勉強、中小企業診断士の二次試験対策、実務の場面で役立ててください。
2018年3月3日(中小企業診断士・大手IT企業勤務)