「決算書を読みこなして経営分析ができる本」(高下淳子)

よくわかる!キャッシュフロー計算

「決算書を読みこなして経営分析ができる本」(高下淳子)

女性社員

「決算書を読みこなして経営分析ができる本」を手に取ったきっかけ

私は、高校を卒業して税理士事務所で勤務しながら、税理士試験を受験していました。現在は社会保険労務士事務所で働きながら、税理士試験に挑戦しています。

税理士事務所には、9年間勤めました。そこでは、法人・個人を問わず、事業主様の会計処理、給料計算、年末調整、そして申告業務と各事業主様の担当として全ての業務を行っていました。

その中で、実感したことがあります。

それは、事業主様が求めているのは税務計算だけではなく、帳面をつけた結果の現在の会社の状況、そしてこれからどうしたら良いかという具体的なことということでした。

ところが、私自身が勉強してきた知識を使って説明しても、事業主にはなかなか理解していただけないことがありました。

当時の私はまだ28歳でした。しかも、会社を経営しているわけでもありません。そんな私が、何年も会社を経営し、経験豊富な事業主様に経験でものをいうことはできません。

そうしたことから、少しでも分かりやすく会社の状況や今後といった分析結果を伝えられないかと思ったことが、「決算書を読みこなして経営分析ができる本」を手に取ったきっかけです。

決算書を読みこなして経営分析ができる本

「決算書を読みこなして経営分析ができる本」の内容

「決算書を読みこなして経営分析ができる本」の著者は、高下淳子税理士です。本は日本実業出版社から発行されていいます。

この本の内容は以下のとおりです。

第1章:決算書の基本は5つの箱にあり
第2章:貸借対照表からはこんなことが見抜ける
第3章:貸借対照表をとことん読みこなす
第4章:損益計算書の基本構造はこうなっている
第5章:損益計算書と連結計算書類で利益に強くなろう
第6章:付加価値を意識すれば生産性を高められる
第7章:損益分岐点までおさえれば採算管理は万全
第8章:資金繰りはこうやって改善する
第9章:キャッシュフロー経営の実践

図を使用して、
・日々の取引から貸借対照表や損益計算書へのつながり
・貸借対照表と損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つの財務諸表間のつながり
をわかりやすく説明しています。

注記や株主資本変動計算書についての説明もあります。さまざまな書類を目にするけど、内容がよくわからないといった人におすすめです。

「決算書を読みこなして経営分析ができる本」のおすすめポイント

決算書を読むのであれば、現状判断をするための利益率や損益分岐点の視点だけではなく、生産性を高めてより多くの利益を出し、会社の体力を強くするためにはといった部分に目を向けてほしいと私は思います。

(1)生産性の高め方や給料配分の方法

事業主様も今後どうしたら良いかということは常に考えていることと思います。

会社の付加価値って何かというところから、損益計算書を使った計算の仕方はもちろん記載があります。

それだけでなく、労働集約型の会社、知識集約型の会社のそれぞれの会社が生産性を高めるためにはどうしたら良いかということについても記載があります。

生産性を高める中で、従業員の給料の悩みはついて回ると思います。

・従業員に○○万円払おうと思うけど、そのためにはどれだけ利益が必要なのか
・営業や現場の職員ではなく利益を生まない事務員の給料を、利益を生む営業や現場の職員は1人あたりどの程度カバーし、そのためにはどれだけの売り上げを必要とするのか

などの疑問があると思います。そんな疑問も希望給料と売上高の関係の計算式を使えばすっきりします。

この式を基に従業員さんの目標づくりを漠然的なものから具体的なものにして、会社の売上高と給料の関係性を理解してもらうことで、よりやる気を出して働いてもらえるのではないかと思います。

(2)資金繰りをよくするための鉄則

そして、ついて回るものは資金繰りです。

いくら利益が出るようになっても、資金繰りが悪ければ会社は潰れてしまいます。自分の会社の資金繰りはどうかのチェックの仕方や資金繰りをよくするための鉄則についても記載があります。

より多くの利益を生みだす会社を作るためには、現状の把握に基づいたより具体的な目標を作り、目標達成に向けて、従業員さんを上手く巻き込んで経営することが必要です。

「決算書を読みこなして経営分析ができる本」は、そんなときに必要になる、
・決算書を読む力
・それを活用する方法
が詳しく記載してある、おすすめの本です。

2018年3月22日(社会保険労務士事務所勤務)