ソフトハウスの客先常駐システムエンジニアから、ソフトウェアベンダーへ転職してスキルアップ

仕事に役立つヒントが見つかる!会社員の体験談

ソフトハウスの客先常駐システムエンジニアから、ソフトウェアベンダーへ転職してスキルアップ

ビジネスマン

金融機関向けのサービス・パッケージ開発・販売のベンダーに転職

35歳の男性です。現在はシステムエンジニアとして、フリーランスで働いています。以前は会社員でした。ソフトハウスに勤めて、客先常駐のシステムエンジニアをしていたときに、自社勤務して上流工程を経験したいと考えました。

ソフトウェアベンダーに絞って転職活動を行った結果、金融機関向けのサービス・パッケージ開発、及び販売を行うベンダーに転職することができました。当時28歳でした。

転職した当時、この会社はちょうど社内の制度変革期でした。そのため、入社前や入社直後に聞いていた給与や案件内容と、実際の給与や案件内容は異なるものとなり、しばらくは「騙された」という思いを抱えていました。

具体的には、入社後しばらくして、給与については等級制度が発足しました。入社間もない私は、中途採用にも関わらず新卒と変わらない待遇でスタートすることになりました。

担当案件についても、社内事情がめまぐるしく変わり、しばらくは望んでいた仕事には関われませんでした。

社内の人間関係も部署ごとに対立や亀裂があり、気を使うところもありました。ただ、同じ業務に携わる仲間や上司との関係は良好で、仕事を進める上では特に問題はありませんでした。

最終的にその会社には満7年間勤めさせていただきました。退職時の役職は主任でした。私はこの転職は、結果としては「成功」であったと考えています。

転職が成功だったと考える3つの理由

その理由の第一は、キャリアアップに成功できたことです。

入社3年目で、プロジェクトリーダーとして、主力製品の機能追加プロジェクトの上流工程に携わることができました。この製品は、世間では会社名とイコールと見なされているブランド製品でした。

それ以降は毎年、新サービスの開発プロジェクトのプロジェクトリーダーを担当させていただけるようになり、社外ベンダーやお客様との折衝も経験させていただくことで、一気にスキルアップしていきました。

キャリアアップの望みが適ったことで、フリーランスとなった今、おかげ様でたくさんの案件をご紹介いただけるようになりました。

理由の第二は、会社の動乱期を経験できたことです。

この会社では、毎年のようにさまざまな制度の発足や変更がありました。経営陣と社員の対立などもあり、他社ではなかなかできない経験ができたと思います。この経験のおかげで、会社作りや会社運営などを考える機会もあり、ビジネスマンとして視野を広げさせていただけたと思っています。

理由の第三は、社内外において、今後の社会人人生において重要な人脈を作らせていただけたことです。

社内の同僚や上司は、最長7年のおつき合いとなり、今でも連絡を取り合っています。ありがたくも、退職後の現在も「いつでも戻ってきてくれ」と仰ってくださっています。仕事を失っても働ける場があるということは、心の安心感につながるものです。

また、社外の方とも人脈を作らせていただき、そのうちの一社からは入社のお誘いもいただきました。

転職活動の際に、「自社で開発から販売まで手がけるソフトウェアベンダー」を選んだおかげで、常駐エンジニアのような一定期間でお別れする関係ではなく、社内外との太いパイプができたと考えています。また、会社作りの過程を見ることができたと考えています。

転職を考える上で重要なこと

以上の私の転職経験から、転職を考える上で、「会社のビジネスモデル」と「会社の成熟度」の見極めと選択が重要だと考えます。

まず、自分がどのような場所でどのような仕事をしたいのかを考え、マッチするビジネスモデルの会社を選択することが重要です。

私の例で言えば、ソフトウェアベンダーは工程の経験を積める点はプラスです。一方でプロジェクトが特定の開発案件に限定されるため、多彩なスキルの習得や他業種への関わりが経験しにくい点はマイナスでした。

また、会社の成熟度については、一般に成熟度が高い企業ほど変化のないビジネスライフになります。

成熟度が高い企業では、給与制度や福利厚生は最初から充実しているかもしれませんが、逆に言うと、それ以上の向上は考えにくいです。反対に、成熟度が未熟な企業はリスクもありますが、想定以上に向上する可能性もあります。

夢を追い、冒険心や野心を胸に抱いての転職ならば、ベンチャー企業のような、未熟かつ良くも悪くも可能性が無限に広がる企業への転職がよいと思います。逆に安定を求めるならば、ビジネスモデルがカチっと決まっている、成熟度の高い企業への転職がよいかと思います。