「できません」とは絶対に言わないルールが職場の雰囲気を変えた!

仕事に役立つヒントが見つかる!会社員の体験談

「できません」とは絶対に言わないルールが職場の雰囲気を変えた!

打ち合わせ

私は金融関係の職場で40人ほどの部下がいる管理職です。人を管理するのはとても難しいものです。

個々に性格が違いますし、やる気も人それぞれです。年齢によっても考え方が違います。それを一つの戦う集団にまとめるは非常な困難を伴うものですね。

1. 管理職とはなんだろう

そもそも管理職とはなんだろうと、ハウツー本を読み漁ったりもしました。スポーツで成功した監督を参考にしたりもしました。

でも、所詮は付け焼き刃、直ぐに結果が出るようなものではないです。それで良い結果が出るかどうかもわかりません。毎日が試行錯誤でした。失敗も山ほどしました。多分、何かをすることで問題が一気に解決することなどないのでしょうね。

ある日、問題を一つ一つ片づけていけば良いのではないかと思い立ったのです。もともと私は体育会系です。昔、私が師と仰いだサッカーの監督がこんなことを言っていたのを思い出しました。

「駄目だと思ったらその瞬間に本当に駄目になる」
そんな言葉でした。

当時はその言葉を聞き流していたように思いますが、考えてみると、就職してからもその言葉のまま生きてきたのだと気づいたのです。

聞き流していたように思っていましたが、いつの間にか身についていたのですね。

私にとって、行き先案内人のような言葉になっていたのです。そこで、これを職場のルールにしてみたのです。

2. 「できないと言わないこと」

私の職場で新たに作ったルールは「できないと言わないこと」です。

人間は、一度できないと思ったら、そこで思考を停止してしまいます。思考停止したら、創意工夫して何とかやり遂げようという考えも放棄してしまいます。それでは成長も止まってしまう、そう考えたのです。

それはとてももったいないことですよね。

最近の日本人にも、私の職場にも欠けているのはチャレンジ精神だと思っていたこともあって、このルールは自分としてはとても気に入るものでした。

ただ、これを職場のルールとするのは、簡単なことではありませんでした。無理なものは無理だという保守的な考え方が全体を覆っていた職場であったことがその原因です。

「そんな単純なことで問題が解決するなら苦労しないよ」
そんな言葉も聞こえてきました。

何かを変える時には反発も凄いんだなと実感しました。

3. チャレンジして失敗したことは不問に付すと腹を決めた

私自身、絶対にできないものは「できない」と思っています。

ただ、工夫すればできることもできないと言うのはもったいない、残念だという気持ちも強かったのです。ここを改革するだけでも少しは戦う集団になれるのではないかと思ったのです。

ただし、私自身にも意識改革が必要ということもわかっていました。

それは、たとえ部下が失敗してもそれを責めたりしないということです。チャレンジしなくて失敗したことは怒っても、チャレンジして失敗したことは不問に付すということです。

実は怒りっぽい私です。これはとても難しく忍耐がいることですし、部下の失敗を自分が負うことになります。

しかし、部下に何かして貰うには自分もまたリスクを追わなければ上手くいくはずもないと思ったのです。これは中間管理職の自分には厳しいものですが、腹を決めましたね。

4. 部下の意識が変わってきた!

さて、このルールを決めて、1か月しても成果は出てきません。しかし、部下には「できません」という言葉だけは許しません。

2か月、やはり成果は見えてきません。しかし、部下の口から「できません」という言葉は消えました。

そして4か月経った頃には少しずつ部下の意識が変わってきたのです。

「できない」という言葉に代わって、十分ではないが
「こうした方法はどうだろう」、
「こう変えたらどうだろう」、
そんな言葉がちらほらと聞こえるようになってきたのです。嬉しかったですね。

十分な内容とは言えなかったのですが、創意工夫をくり返す姿に素直に心打たれたのです。後ろ向きな部下や、立ち止まっていた部下が少しずつ前を向いて歩くようになったことがありがたかったです。

職場も少しずつ活気のある雰囲気になってきました。ちょっとした時間に皆が集まって話し合う姿も見かけるようになりました。

中でも嬉しかったのはある部下から言われた言葉です。それは「仕事が楽しい」というものです。その時に、私が作ったルールは間違っていなかったと確信しましたね。

私自身も変わったのではないかと思います。部下を信頼できるようになりました。また、前向きの失敗を成功に変えようと考えるようになった気がします。

今は私にヒントを与えてくれた学生時代の監督に感謝するとともに、忍耐強くそれを実行してくれた部下に感謝しています。

まだまだ道半ばですし、今後どのような化学変化が出てくるのか分かりませんが、このルールを今後も大事にしていこうと考えています。