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仕事に慣れて、逆に責任を重く感じるようになった
仕事の悩みは尽きないものです。
自分の実力のなさに肩を落とす日は度々やってきます。
当時、私はデザイン系のお仕事をしていました。
パソコンの前でひたすらレイアウトを組むお仕事でした。
他の部門からは時折、お喋りの声や笑い声が聞こえてきます。
和やかに会話を交わしている様子などが見られる中、
私が所属していた部門の空気は張りつめていました。
入社して三年目。社会人としても三年目の23歳女子。
一通りの仕事はこなせるようになり、お喋りを許される空間に夢を見つつ、
目の前のパソコンと向き合っていました。
三年目ともなれば、立派な戦力と認定してもらえます。
周りの人たちともすっかり馴染み、
「ああ」、「うん」で会話を済ませられるほどです。
実は、それぞれが疲れていて、言葉を発する気力がなかった…
だなんて寂しい状況でのあうんの呼吸だったのですが…、
それはともかく、仕事を任されることが多くなった頃でした。
慣れてきたとはいえ心配事は尽きません。
逆に責任を重く感じました。
気持ちも体も休まらない毎日
少しずつガス抜きをしながらやっていけたら良かった…
と今では余裕の目線で振り返ることができるのですが、
当時は、一人で悩みを抱え込んでいました。
仕事の量としてはさばき切れないというほどではなく、
単に気持ちがいっぱいいっぱいだったのです。
周りの方々もそれぞれ黙々と仕事をしていて、
自分の悩みとはほど遠い場所にいるように感じられてなりませんでした。
自責の念に苛まれて焦ることってないでしょうか。
それが、たまにであれば、きっとまだ良かったのですが、
当時は毎日暗い顔をして仕事に行っていたと思います。
疲れ切って青い顔をして、顔を洗っても化粧を落としていないような気がして、
気持ちも体も休まらない毎日でした。
実力の至らなさから作業に時間がかかってしまうのだ。
至らないから作業の効率が上がらないのだ。
そんな風に考えて、ひたすら自分を責めていました。
当時の暗い顔の自分に、今の私が問いたいことは、
「実力とは何か」ということです。
仕事は小さなことの積み重ねなのです。
仕事は、毎日同じ作業を繰り返しているようで、新しい作業の連続
そんな私に、上司が言ったのは
「同じ仕事は二度とは来ないのだ」という言葉でした。
「仕事とは、毎日同じ作業を繰り返しているようで、新しい作業の連続なのだ」
機械的にレイアウトを組んでいたとしても、常に頭のどこかで考えて、
臨機応変に小さな変更と改善を積み重ねていかなくてはなりません。
毎日、同じことのくり返しのようで、少しずつ違う調整を加えているのです。
不安を抱え続ける私に上司は
「同じ仕事は二度とは来ない。だからいつでも相談しなさい」
と言ってくれたのでした。
落ち着いて考えてみると当然のお話なのですが、
その時の私は、変に気負ってしまっていたのです。
仕事の責任を重く感じていた私は、自分の中に抱え込むあまり、
周囲に意見を求めることに抵抗を感じるようになっていました。
聞かねばならないことはすっかり教わりきってしまったと思い、
教えを請うことに申し訳なさを感じていたのです。
成果が上がらずに悩んでいたときにかけられたこの言葉は、
今でも心に残り続けています。
仕事には毎日初めて臨むのだから、変に気負う必要はない
今も、抜け出せない暗い考えにはまり込んでしまった時には、
「仕事には毎日初めて臨むのだから、変に気負う必要はないのだ」
と自分に言い聞かせます。
考え続けることをやめてしまってはいないか?
考えているようで、どこか同じことをくり返してはいないか?
自分に常に問いかけて、新しい風を意識するようにしています。
これは長期の案件に取りかかっていても同じです。
毎日が新しい一日であることに変わりはないのです。
「今日は新しい一日だ」
と笑って言ってくれる上司がいたことは、私にとって幸運でした。
感謝してもしきれません。
「今日は新しい一日だ」
この言葉が、一日の切り替えスイッチとなってくれることを私は知りました。
今度は、私が周りの人たちに新しい一日を告げ、心地良い風を吹かせる番です。
あなたにも新しい風が舞いこみますように!