ここならずっとやっていけるという転職先を選ぶべき

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ここならずっとやっていけるという転職先を選ぶべき

ビジネスマン

以前、勤めていた会社での話です。
上場を機に、東京・名古屋・大阪・福岡の中間管理職のトレードが行われ、私は大阪本社へ転勤となりました。

大阪に配属になってすぐ、所長から呼ばれました。
「来たばかりで勝手もわからんやろうから。様子でも見とけ」
とのことでしたので、一週間、自分なりに状況把握をしておりました。

すると今度は急に、人事より呼び出されました。
「おまえ、大阪来てから、なんもしとらへんらしいの。
所長が困っとるゆうとったで、なんかせえや」
といきなり叱られて、びっくりしました。

所長に事情を聴いても教えてもらえません。
「おまえなんもせえへんのやったら、明日から遠方でもまわれや」
と一人で遠方への日帰り出張をするように指示されました。

以前いた支店の所長や上司に相談しても、状況を理解してもらえません。
仕方なく、遠方への日帰り出張をすることになりました。

日帰りなので、車を飛ばしても帰ってこれるのは、夜中の2時~3時です。
次の日の朝は、10時の朝礼までに出社するという日々を2か月間、続けました。

私が勤めていた上場会社は、従業員数1000人の大企業でした。
当時も「ブラック企業」という言葉はありましたが、今ほどブラック企業への風当たりは強くありませんでした。

さらに、「会社から受けた命令はやりきるのが当たり前」という風潮もあって、命令を断るのは恥ずかしいことだと考えて、日帰り出張を続けていました。

また、「大企業での転勤は新しい会社に再就職と同じようなもの」と上司から言われたことも、私に影響を与えていたと思います。

私自身が大阪本社へ転勤する前に、大阪の所長へのあいさつや配慮が欠けていたため、赴任当初から嫌われていたのかもしれません。

ただ、当時の私には、
上司の好き嫌いに合わせて仕事ができるものでない。まだまだ実績を残せる。
マネージメントや管理の仕事もまだまだ覚えたい。

との思いも強くありました。

ちょうどその頃、大阪の所長と反りが合わずに辞めた元上司から、
「会社を立ち上げたので一緒にやらないか」
との誘いがありました。

先輩から誘いを受けたことで、上場企業で歪んだ評価をされるより、小さくても今の自分の力を発揮しやすいところで、がんばりたいとの思いが強く芽生えてきました。

立ち上がったばかりの小さな会社への転職には不安はありました。
ただ、このまま今の会社での勤務を続けても体を壊すだろう。
小さい会社でも営業でがんばれば会社も大きくなると思い、最終的には転職しました。

今となっては、その転職が結果的に良かったのかどうかわかりません。
というのも、転職した会社は、5年後に資金繰りの悪化で閉じることとなったからです。

売上は伸びていたのですが、経営者の別事業の失敗で資金不足となり、計画的に閉じることになりました。私自身、現在は別の会社に勤めております。

しかし、その時の経験は、今の私の糧になっており、業務でも活かされております。
特に厳しい時や苦しい時にがんばれる源となっております。

ただ、転職については、やはりしっかり準備をして、次のキャリアにつながる転職がベストだと感じます。勢いで転職したため、会社立ち上げの経験はできたものの、倒産した会社に勤務していたということで、次の就職では苦労しました。

ただ、過去に「もし」が使えるとして、
「もし、上場会社に残っていたら、キャリアを積めていただろうか。それとも、過労で・・・」
と考えると、今の状況がどうであれ、過去のベストな選択の結果が今だと感じております。

転職を考えている方々へ

転職を考えるときは、今いる企業に失望や怒りを感じているときだと思います。
そう感じたら、迷わず転職をするべきだと思います。
ただし、転職の準備をしっかりして、ここならずっとやっていけるという転職先を選ぶべきです。