新人時代の体験で気づいた、部下のモチベーションアップ法

仕事に役立つヒントが見つかる!会社員の体験談

新人時代の体験で気づいた、部下のモチベーションアップ法

働く女性

入社した会社で上司や周囲の人たちに恵まれる

31歳の頃、上京して都内のある企業に採用された時の話です。

私は、その会社で事務の仕事をすることになりました。職場は、ワンフロアに男女問わずたくさんの人が仕事をしていました。

私は、その職場で上司や周囲の人たちに恵まれることになります。

まず、採用段階では面接担当者が本当に優しい方でした。給与は低かったのですが、私は都内で生きていくためにがんばろうという気持ちでいました。面接担当者の優しさに触れた私は、意欲をもって入社することができました。

直属の上司は男性職員でした。

初日の午前中、ゆっくりと作業の説明をしながら、一緒にやっていってくれ、仕事のスタートとして、とても満足な気持ちになりました。

一緒に仕事をするような同僚や仲間はいませんでしたが、同じフロアにいる人たちには笑顔で挨拶するように心がけました。そうすることで、「笑顔がいいね」と言ってもらったり、親切にいろいろと教えてもらったりしました。

仕事内容は単調な作業でしたが、責任を持って行い、時には上司に改善策を提案することもありました。

お昼休みに上司にランチをご馳走してもらったこともあります。

上京してあまり外食もしていない中で、美味しい多国籍料理は嬉しく感じられ、いろんな話も聞いてもらいました。仕事の合間や昼休みの時間などにコミュニケーションがとれていたので、その人との会話はとてもスムーズでした。

単調な仕事で疲れた時には、表情や歩き方などで分かるらしく、
「何かあったの?」
と尋ねてくれました。

仕事が忙しく残業になることもありましたが、仕事について筋道の立った説明をしてくれ、上から目線の話し方をすることもありませんでした。

落ち込んだときも話を聞いてもらえた

しかし、職場にはやはりいろんな性格の方がいるものです。

ある日、職場のある人のストレートな言葉に本当に落ち込んでしまいました。昼休みに気分転換しようと思い、会社近くの公園でバラや植物を見ながら散歩をしていたところ、たまたま採用面接で面接官だった人に出会いました。

入社以降、その人とは社内で会っても挨拶くらいで話すこともありませんでしたが、いつも笑顔で挨拶してくれる人でした。その時は、私もその人も職場の外にいて解放された気分だったせいか、自然と会話が始まりました。

仕事でストレートに怒られたことを話すと、
「あまり気にすることはない」と言ってくれました。

具体的な解決策を教えてもらったというより、聞いてもらうことで気が楽になった気がしました。その職場には、聴く姿勢が自然と身についている人が多かったように思います。

その時、私は本当に周囲の人に恵まれていると思い、つい涙が出たことを覚えています。

新人の時の出来事は小さなことでも印象深く記憶に残る

いつも当たり前のようにいる上司、いつも職場で会う面接官だった人。“いつものように”という感覚はその時の錯覚にすぎません。人間関係は出会いだと思います。

良い上司に巡り合うことができれば、自分が役職につくようになっても、新人に対して先輩として何ができるか考える気持ちを持てるようになります。

ベテランも最初は新人です。新人の時の出来事は、小さいことでも印象深く、特に感動したことは記憶に残ります。

新人の頃の感動体験があることで、自分より後に入ってきた新人に対してもポジティブに関わろうという気持ちになれます。ポジティブな連鎖は続くのです。

そうしたポジティブな連鎖が続けば、よい職場となり、社外からの高い評価にも繋がるのだと思います。

相手を観察すると何かしら気づくことがあります。いつもはテンションが高いのに、今日は元気ないなと思ったら、さりげなく尋ねてみること。

根ほり葉ほり聞き出すのではなく、声をかけてみる。その姿勢だけで良いのです。その姿勢が相手の「嬉しさ」につながります。

悩みを具体的に解決しようとすることが必要な場合もありますが、ただ話を聞くだけの時間を割いてあげる。それによって、相手が元気で意欲的な状態になれば、周りの人にもその正のエネルギーは伝播していきます。

新人時代の体験で気づいた、部下のモチベーションアップ法

新人時代の体験で気づいた、部下のモチベーションアップ法はこんな感じです。

・部下を褒める。
・毎日の単調作業であっても、その仕事の結果がどれだけ多くの人に影響するかを意識させる。
・部下が課題をクリアできたら、やりたいことも聞いて新しいことにチャレンジさせる。
・たとえば、時には出張に行かせる。会議にも参加させる。
・仕事内容によっては、大きな仕事を任せてみる。

そんなくり返しで、部下のモチベーションは高まります。

また、部下のモチベーションが高まる瞬間がどんな時なのかを見極めるためには、自分自身も感動する瞬間を持つことが大切だと思います。

自分自身が新しい体験をすることで、上司自身のモチベーションがアップして、表情がいきいきすると思います。上司が日頃から口にしている言葉、しぐさ、態度は周囲に大きく影響します。周りの人は見ていないようで知らず知らず影響されているものです。

部下へのポジティブな働きかけと、自分自身のモチベーションアップ。その両方で状況が変わり、周囲の人たちのモチベーションは必ず高まります。