話が違う!介護業界への転職を踏みとどまった体験談

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話が違う!介護業界への転職を踏みとどまった体験談

退職届

転職を考えた理由

私は小売業の事務員をしている30代の女性です。通信販売のコールセンターで、主にお客様対応を行っています。

現在の会社に入社したのは3年前ですが、ハローワークに掲載されていた賞与額と実際の金額があまりに異っていたことに不満がありました。残業代も出ません。それでも、勤務地が自宅からすぐ近くという好立地なため仕事を続けてきました。

ところが、その立地についても、あと一年で会社が移転することになりました。

働く条件は人によって順位が異なると思いますが、私は立地、給料、休みの順に重要視しています。もう少しよい条件のところでがんばりたいと思い、転職を考えました。

年齢も30代も半ばなので、少しでも早く良い条件でのお仕事に転職したいと燃えていました。残業代が出て退職金があり、休日出勤が少なく、転勤もないことが私の条件です。

そんなときに友人の勤める会社で募集があり、声をかけられました。
「きっと今持っているスキルも活かせる」と背中を押してもらい、その会社に興味をもちました。

介護業界の仕事内容

勧められた会社は介護業界でした。数年のうちに全国で数か所拠点の展開予定があるとのことでした。入居者募集や契約手続きなど営業の仕事ですので、異業種での新たな職種への転職になります。

自宅近くに新しい拠点ができると聞き、その拠点での仕事内容を詳しく知るために人事の方にお時間をいただきました。

人事の方との面談では、業務内容、残業の有無、休日出勤についてなど働く上で気になることをとことんお聞きしました。訪問時は、和気藹々とした職場で職員のみなさんがとても明るく、笑顔で迎えてくださったのが印象的でした。

介護業界で働くのは初めてです。現在の職場よりも休日が20日ほど減るのもネックです。ですが、人事の方のお話を聞いてがんばってみようと気持ちが整い、採用面接に挑むことにしました。

採用面接で感じた違和感

採用面接では社長、専務が対応くださいました。ところが、人事の方が話された内容と、社長、専務のお話には相違点が多々あり、面接後は心がもやっとした状態で帰宅することになりました。

翌日には内定が出て、三日後には雇用についての書類が届いたのですが、内定のご連絡をいただいた時に、その会社に対して不信感を感じる出来事がありました。

面接時、今の勤務先について、「この日までは退職できません」という期日をお伝えしていたのですが、内定のご連絡をいただいた際に
「やはりもう一か月早く入社できませんか」との打診があり、
「難しいです」とお答えしたところ
「では、その月の土日はアルバイトとして出勤いただくことになると思います」
とのお話だったのです。

退職日を事前に知らせているのに、こちらの都合は考えてもらえないものなのだろうか?

人事に条件を再確認

辞める会社のことなんて考えていたら転職なんてできない。後輩に言われた一言です。

その通りなのかもしれません。でも、私としては、今まで雇っていただいた会社や、仲間に最後の最後で迷惑をかけて退職するようなことはしたくありませんでした。

私は数回転職していますが、転職する際には、退職する会社に迷惑をかけないように気をつけてきました。「飛ぶ鳥跡を濁さず」の言葉通り、円満退職をすることで次の仕事も気持ちよくスタートできると思います。

新しい勤務先も、新人に気持ちよく入社してもらおうという姿勢であれば、事前に退職予定日を聞いているのに強行しようとするはずがないと思いました。

入社前からこのように強要されるということは、入社後も希望通りに働けるはずはないと疑問に感じました。心の中のもやっとしたものが残ったままで、このまま今の会社を辞めていいのかと不安でした。

人事の方と再び連絡をとり、再度、面接で話された内容について詳しく聞く機会をいただきました。転勤なし、休日出勤ほぼなしと聞いていましたが、回答はすべて「可能性はあります」で、私が思い描いていた雇用条件とは異なっていました。

今の会社では貯蓄もままならない状況ではありますが、不安が残ったまま転職はできないと思い、内定を辞退しました。内定をもらった後にお断りすることほど言いにくいことはないと思いました。

入社すればなんとかなることもあるのかもしれません。また、少なくとも一度は「やるぞ!」と心に決めた仕事でしたが、転勤や休日出勤の有無は生活の柱となる部分ですので、慎重に決めることが重要と考えました。

譲れない条件は面接の前に下調べすることが大事

今となって思えば、面接のときの
「当社は業界未経験者ばかりですから、安心してください」という言葉は
「同じ業界からの人は条件が合わないから誰も来ないけど、何も知らない業界未経験者は何も言わず働いているよ」
という意味ではないかと思っています。

異業種への転職であればなおさら、その職種で必要な経験、資格、その業界での平均的な年収など、面接の前に調べておくことが大事だと痛感しました。

この件の後、別の会社へ面接に行った際は有給取得率、転勤の有無、残業の状況、賞与額、昇給の度合など詳しく教えてくださいました。

細かな手当の詳細まで丁寧に教えてくださり、この会社なら安心して働けると思いました。(この会社では残念ながら不採用でしたが…)

無理をしなくても、こういった好感の持てる会社もあるのだから、出会えるまでゆっくり地道に探してみよう。そう思えるようになりました。

譲れないものは譲れない。それならば転職しない。不安が一つでもあるのなら取り除く。取り除けないのなら見送る勇気も大事だと思います。