運送会社の問題解決に向けた取り組みの体験談

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運送会社の問題解決に向けた取り組みの体験談

ビジネスマン

運送会社のデリバリーセンター会議

運送会社に勤める者です。5年前から毎月開催している会議について書きます。この会議は、毎月第一土曜日に開催されています。会議名はDC会議(デリバリーセンター会議)です。出席者は、中国5県のセンター長や中国ブロック長で、議題は運送の運営についてです。

会議はいつも午前10時に始まります。5年前は私も若手でしたので、2時間ほど早めに会議の準備を行っていました。

会議の議題に関しては、上司が会議開催日の2週間前あたりにメールで各センター長に送り、当日の会議までに、議題にある問題の整理、データ収集、売り上げの推移、繁忙期、閑散期における行動、前回の会議で決定した行動内容と結果などをまとめます。司会進行は私が行っています。

司会進行を任されるにあたって、どうすれば会議をスムーズに行えるか考えました。

具体的には、会議開催前に、各センター長と世間話しながら、議題内容について質問に答えられるだけの資料を用意ができたかどうかをそれとなく聞き出すようにしています。

各運送営業所が抱える問題とは

中国5県の各センター長がトップを務める運送営業所のそれぞれが抱えている問題はほぼ同じです。

「乗務員不足で乗務員が高齢化している」ことです。

平成19年以降に普通自動車の運転免許では4t車に乗務できなくなりました。高校を卒業し、普通自動車免許を取得したばかりの若者が「トラックドライバーになるんだ!」と考えて、さらに中型自動車免許を取得するかというとそんな人はなかなかいません。

必然的にトラックドライバーの中で、20代、30代の乗務員は非常にレアな存在となります。40代で若手、50代は中堅と、各センター長は口を揃えて答えます。

配送する荷物については、基本的に個配(宅配)は行わず、卸問屋、センター納品、ホームセンター、電材屋を中心に配達しています。

電材や卸問屋に限っては食品の納品や建築部材が多く、基本的に午前10時まで着の納品が多く、車両を何台用意しても足りません。電材屋さんも同じく職人が現場に到着する前に商品が届いていないとクレームになってしまいます。

もちろん、そんな対応ばかりしていても、人件費や燃料費、車両維持費などを考えると、とても今の運賃ではやっていくことはできません。

また時間指定や地図や番地が決まっていない、建築中の現場納品がある場合は、乗務員が嫌がります。そういった各センター長の悩みを会議の場で発表してもらっていますが、ほぼ毎回同じ内容の会議になります。

運賃、配送エリアについて荷主に交渉

そんな中、運賃、配送エリアについて荷主に交渉しようということになりました。これがうまくいけば、赤字の解消、乗務員の給与、新人乗務員の定着化、労働時間などが解消される見込みでした。

50社を超える荷主の運賃単価をリストアップし、週何回配送をどのエリアに配送しているかなどを再度精査しました。結果、相当数の荷主の配送エリアに山間部や過疎化が進んだエリアが多く存在していることを発見しました。

積極的に荷主様へ値段の交渉をした結果、事態を理解して運賃を上げていただけた荷主様と、思うより運賃を上げていただけなかった荷主様に分かれました。

一部の荷主は減ってしまう結果になりました。最終的には各営業所は売上増になりましたが、まだまだ会社の理想の状態にはできませんでした。

しかし、この取り組みは各センター長の自信にはつながったようです。

会議を通じて問題点を出し合い実施につなげる

また、会議が終わったその次の日から、各センター長が積極的にメールや電話をしてくるようになりました。納品先で起こった問題点などをどのようにすればいいのか相談してくるのです。

会議を通じて問題点を出し合い、その問題を整理し、各営業所が実施して結果を出したことにより、社内の関係性が深まったと感じています。

社内の関係性が深まったことで、会議も前向きな楽しい雰囲気になったと感じます。

今のいい関係性の中で、各センター長の悩みを共有し、会議で議論を深めていけば、問題解決の糸口も見つけていけるのではないかと思っています。