部下を尊重し任せてくれたキャパの大きな尊敬する上司

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部下を尊重し任せてくれたキャパの大きな尊敬する上司

ビジネスマン

医療特化の人材派遣会社に新卒で入社

私は医療特化の人材派遣会社に新卒で入社しました。私は、薬剤師事業部に配属され、薬剤師に求人を紹介する自社サイトの運営業務に携わることになりました。当時の私は23歳。もちろん、オフィスワークの経験もありませんでした。

社内は大きく分けて営業が男性、事務方を女性が大半を占めていました。私のように事務方をする男性は珍しい存在でした。

そのため、女性との接し方で難しい部分もあったのですが、半年業務をこなした後にサイト運営部隊のリーダーになることができました。

営業が獲得してきた求人を事務方が入力します。それに対して問い合わせをした薬剤師さまのリクルートをサポートするというのがおおまかな業務の流れでした。

営業と事務方の連携プレーが必要なのですが、営業と事務方が意思疎通できず、ギクシャクすることもありました。男性と女性で業務が分かれているような状態であったせいかもしれません。

そんな中、事業部長が“営業力アップにつながる新しい施策”のプレゼン大会を指示してきました。

営業と事務は一つのAチームなどの大きなまとまりの中に所属し、機能しています。プレゼン大会ではチームごとに営業力アップにつながる施策を提案することになっていました。

事業部長の狙いは明らかでした。

大会に向けたミーティングを通じて、営業の考えと事務方の考えが共有され、相互理解を深める機会になることが意図されていると推測できました。

プレゼン大会でのプレゼン役を任せられる

私の所属していた薬剤師事業部Bチームでは、比較的、営業と事務方の仲が良く、ミーティングは円滑に進みました。

新卒の私は気合が入ってしまい、かなり詳細な分析データを用いた利用者へのアプローチ方法をミーティングで提案しました、それを見た私のチームの課長は一言、

「じゃあプレゼンは君に任せた」

他のチームではチームの長である課長がプレゼンに参加する計画でした。支社も含めた全社で行うプレゼン大会なので当然の選択でした。

急に代表プレゼンを行うことになった私は、どうプレゼンすればよいかわからず、進行方法に関してチームメンバーに相談しました。課長の考えは
「ウケを狙ったらいいんじゃないか」とのこと。

その言葉にしたがって、フリとオチがあるネタのようなプレゼンを作ることになりました。

プレゼン当日を迎えるまでの毎日の昼休みが私たちのミーティングタイムになりました。課長とチームメンバーは毎日ランチに付き合って、私が作成してきたプレゼン内容を吟味してくれました。

そうして、プレゼン内容は遂に完成しました。

上司のキャパの大きさがメンバーを惹きつけていると気づいた

プレゼン大会はホールを借りて行われました。その日、登壇したプレゼンターは課長などの役職者が中心で、その中で私一人が場違いな感じでした。

登壇し、自分のプレゼンの順番が来るまで、緊張した面持ちで他チームのプレゼンを聞いている私に課長は
「ちゃんとウケを狙って!」
と書いたボードを向けて応援してくれました。

それを見て、肩の力が抜けた私は、全社に向けたプレゼンを無事に成功させることができました。

プレゼンが終わった後、課長は、僕の所に駆け寄ってくれて、
「ウケなかったな」
と言って肩を叩きました。

その後、他のメンバーも寄ってきて言葉をかけてくれました。
他のチームでは見られない光景でした。

僕は、課長のこの気さくな人柄がチームのメンバーを惹きつけ、メリハリのあるチームの雰囲気を作っているんだと確信しました。

それと同時に、私もこの人のように、コミュニケーションの取りやすい、キャパシティの大きな人間になりたいと強く思いました。

その一カ月後、課長は昇進しました。
新規で立ち上げる支社の支社長となることが決定したのです。

異動の前の私への最後の言葉は、
「間に立って動けるのがお前の強みだ」
でした。

こうして、課長は本社を去りました。

上司がプレゼンを任せてくれたことで気づけたこと

その後、本社は水を打ったように静かになってしまいました。営業と事務方の関係は今も改善していません。

私は別チームに配属となり、一からのスタートとなりました。私はそのチームで、事務方をチームミーティングに参加させるだけではなく、事務方の進捗報告や提案をミーティングに盛り込みましょうと上司に提案しました。

営業は事務方が何を行っているか分っていない人が大半でした。営業から事務方へのリクエストを聞いているばかりでは発展しないと私は考えました。

事務方からも営業に対して提案する時間を設けることで、コミュニケーションの増加や意思疎通をより強く行うことが私の提案の狙いです。

私の提案は採用されました。

ミーティングでコミュニケーションがよく行われるようになった結果、私の所属するチームは活気のある雰囲気となりました。私にプレゼンをさせてくれた課長がいたチームのようでした。

業務を行う上で、メンバーが同じベクトルを向いていると生産性は高まります。同じベクトルを向くにはチームのメンバーを理解しなければなりません。それにはコミュニケーションが不可欠だと考えます。

私は課長がプレゼン大会で背中を押してくれたことがキッカケとなり、その点に気づくことができました。

私の考える“良い上司”はそのようなキッカケを部下に与えられるような上司です。

部下の年が若くても、部下の意見を尊重し、業務を任せられるようなキャパシティを持った方が良い上司なのではないかと私は思います。

私が出会った尊敬できる上司

・有能で仕事ができ、部下への思いやりのある上司:
女性事務職として出会った、尊敬できる上司。尊敬できない上司

・有能で仕事ができ、部下を守る上司:
仕事への向き合い方を教えてくれた尊敬する上司

・部下への思いやりと気遣いのある上司:
新入社員のときに出会った、父のように温かく尊敬できる上司
上司としても、人としても尊敬できた私の上司

・知識豊富で思いやりのある上司:
半端ではない知識量。寡黙ながらも優しく尊敬できる上司

・厳しいながらも部下に成長のきっかけを与えてくれる上司:
本気でぶつかってくれた厳しいながら尊敬する上司

・仕事に対して真剣な上司:
真剣な姿を見せることで責任感を教えてくれた尊敬する社長