入社して5年。会議の企画や司会進行を任されるようになった
私は、会社のアミューズメント部門で勤務しています。入社から5年ほど経過した頃、実質的な部門の責任者となり、会議の企画や司会進行を任されるようになりました。
私が任された会議は規模の大きなものではありませんでした。お客様満足の向上のため、また働いているアルバイトスタッフのモチベーションを上げるための、参加者が10名程度の月次の定例会議でした。
私は当時20代半ばで妻と子供がいました。メンバーは性別も職歴もバラバラでした。会議を任されるようになる前から、私もこの月次会議には当然参加をしていました。
職場自体は広くはなかったので、毎日のようにほぼ全員が顔を合わせています。このような状況で起きるのは、当然のことながら、会議のマンネリ化でした。
毎日話しているのに、わざわざかしこまって会議をする必要はないのではないか。問題点は日々報告しあっているのに…といった雰囲気でした。わかりきっていることを再度確認し、決められた時間まで無駄に近い話をして終わるといった状態でした。
では、その時にチームに問題がなかったかと言えば、それはまた別の話でした。会議だけではなく、チームの生産性やモチベーション自体が恒常的にマンネリ化していたのです。
成果が出ないことの原因を考えた
会議を任された当初は、私も前の担当者と同じように月次会議の司会をただこなしていただけ、といった具合でした。そのうちに自分自身が面白くなくなってしまい、仕事の成果も出ない状態が数ヶ月続きました。
会議自体は面白いアイデアが出ないこともなく、一瞬、盛り上がることもありました。しかし、次の月に集まった時には「先月何を話したっけ?」という感じで、全く実行に結びついていないことがほとんどでした。そこで私は、「月」という単位が大きすぎるではないかという仮説を立てました。
私たちは、数年単位のプロジェクトを行っているようなチームではありません。目の前のお客様に楽しんでいただくことと、アルバイトスタッフに自信を持って働いてもらうこと。つまり、日々その瞬間の価値をいかに高めるかが仕事です。
そうであれば、小さなことでもいいから、アイデアをすぐに実行に移してみて、どうだったかを確認する。そして、修正する必要があればすぐに修正する。ダメなようであればすぐにやめる。そういった小回りが大事だと考えたのです。
会議の開催方法を見直した
そこで、「月単位で2時間行っていた会議を、毎週の30分間の会議に変更させてほしい」。そう上層部にかけ合いました。最初は難色を示されましたが、「成果が出なければ3か月で元に戻してよいので」と必死に交渉してゴーサインをいただきました。
週ごとになった会議の内容は、まず取り組むべき内容のアイデア出しと確認です。日々、顔を合わせているので、取り組むべき内容のアイデア出しに時間はかかりません。重要なのは、誰が具体的に実行するかという部分でした。
これをきちんと具体的にメンバーに割り振る。そして、次の週にどうだったか報告をしてもらう。これをひたすら、くり返しました。報告自体も私の環境では日々働きが見えるため、ほぼ不要でした。そのため、会議時間のほとんどを、先週実施した取り組みについて修正が必要かどうか。それをみんなで考える部分に割くことができました。
改善が成果につながった
これが功を奏しました。発言が少なかったメンバーも積極的に参加し、自分が割り振られた内容について自分で振り返って考え、実行するようになりました。その結果、成果が出るようになり、チームは、社内の大きな賞を何度もいただくことができるようになったのです。
会議の目的とチームの規模を見誤らずによく考え、会議の枠自体(私の場合は会議の頻度)をきちんと見直すことが成果を出す方法の一つだと、私自身が非常に勉強になりました。
残念ながら、私はこの部署には現在は所属しておりません。ただ、週次会議は現在も続いていると聞いています。私がかつて所属していたチームが今も非常に活気のあるチームであり続けてくれている。それが私の誇りです。