お客様に喜ばれるために社内で嫌われることもある

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お客様に喜ばれるために社内で嫌われることもある

フォークリフト

倉庫作業員として仕事した13年間

私は以前、物流会社に勤務していました。勤務先の業種は一般貨物自動車運送事業の倉庫業です。私はその会社で13年間、倉庫作業員(フォークリフトオペレーター)として勤務しました。

担当していた仕事内容は、倉庫作業、清掃、軽作業などでした。その中でもメインの仕事は、フォークリフトに乗務して商品の入出庫を行うことです。

毎日、朝は定時より1時間ほど早く出勤して、地方からの入庫商品をリフトで下ろし、片づけていきます。定時になると荷主から出庫オーダーが入ってくるので、出庫商品の荷揃えを開始します。

出庫については、自社便での配達の商品もありましたが、メインは直接引き取りに来られるお客様の荷物を用意することでした。

お客様に喜ばれるために私がした工夫

得意先の方は決まった人たちばかりで、新規のお客様はほとんどありませんでした。

こういう、毎日のように顔を合わせるお客様に喜ばれるには、一日だけでなく喜ばれることを継続するのが大事です。

(1)商品を積むときに他社の商品も積みなおす

お客様に喜んでいただくために私が行っていたことは、自社倉庫の商品だけを積むのではなく、よその倉庫からお客様のトラックに積まれた荷物なども一度下ろしてから再び積んであげるということです。

なぜこのようなことが必要なのかと言いますと、商品によって高さが違いますので、背の高い商品を荷台の前の方に、低い商品を後ろの方に積んでバランスをとってあげないと商品をひっくり返す危険性があるからです。

ただし、このような行為は大手の倉庫会社では禁止されていますので、すべての倉庫作業員(リフトマン)ができることではないとは思います。

ただ、私の勤務していた会社では、特に禁止事項として言われていなかったので、少しでもお客様に喜んでいただくために私はそのようにしていました。

(2)パレットをすぐに回収できなくても咎め立てしない

また商品を積んだ際には差し替えとしてパレットをいただくのですが、お客様が
「出先で急に言われてきたからパレットがない」

と言われることもあります。

ここで重要なのは、絶対に回収しないといけないというルールが特にないのであれば、
「また持ってこられるときにお願いします」

とだけ言っておいて、不要なトラブルを招かないようにすることです。

実は、私も入社直後には、このパレット回収を口うるさく言っていました。ところが、お客様にはお客様の事情があり、口うるさく言っても、言い争いになるだけということがわかったので、それ以降はあまりうるさく言わないようにしてみました。

すると不思議なもので、特にうちの倉庫での商品の引き取りがなくても、パレットを持ってきていただけるようになったのです。そして、
「パレットがない時にいつも『次でいいですよ』と言ってくれるからね」

とお客様に言われたのです。

要は、お客様もパレットを持ってこないといけないことはわかっているが、その時の事情でできない時もある。だから、そこを咎め立てしないことが大事だということですね。

ただしこれも、きちんとしたルールがある大手の倉庫などではできないことではあります。

私の場合はこのようにして、お客様と良好な関係を築いてきました。お客様と良好な関係を築くことができれば、こちらのお願いも聞いていただけたりします。

たとえば、少し傷がある商品でも用途によって使えるのであれ引き取っていただけるなどです。

社内では煙たがられるようになった

一方で逆に、社内では煙たがられるようになりました。特に上司からいい顔をされなくなりました。

というのは、私の勤務していた会社では、1階の現場で働くのは私1人で、後の事務員さんとか偉いさんは2階の事務所にいたため、こういった現場の状況が伝わりにくかったからです。

パレットの問題にしても
「積んだ分をきちんと回収できないので、なくなる可能性がありますよ。
今はお客様にタダで持ってきていただいて、たまたまなくなっていないだけですよ。
なくなっても私は責任取れないですよ」

などと言われました。

その割には具体的な対策を考えるわけではなく、
「なんとかうまいことやってくれ」とのことでした。

私からしたら
「いや、今はうまいことやるようにしているけど、きちんとした回収のルールがない中でやっているから、なくなる可能性はある。それでいいんですか?」

ということなのですが、この会社は問題が起こってから慌てだすような体質であったので、具体的な改善はできませんでした。

要は、現場の仕事について、私一人にお任せ状態だったので、私は自分でお客様に喜ばれる方法を考えて実行していたが、上司はほったらかしだったということです。

お客様に喜ばれるように仕事をする

私は、お客様に喜ばれるためには、社内ではある程度嫌われても結構という気持ちで仕事をしていました。

私のような現場作業員と同じ目線で一緒にお客様に喜ばれる方法を考えてくれる会社もあるのかもしれませんが、そんな会社はまれではないかと思います。会社の体質や仕事内容にもよるのかもしれません。

私のこのような方法は、営業などで数字がはっきりと出る仕事だと効果的だと思いますね。残念ながら、私の仕事には数字で表せるような所はなかったので、何の評価もされませんでしたが。

しかし、上司や事務員にうるさい奴だと思われようと、お客様に喜ばれるように仕事をするという私の姿勢は間違っていなかったと思っています。

私の話が少しでも、今後、お客さまに喜ばれる仕事をしたい方たちのお役に立てば幸いです。