ブライダル業での会議体系
どんな会社でも、会社から定められた目標に向かい、各部署・グループがそれぞれの仕事について「結果」を出そうと努力していると思います。
私はブライダル業に従事しております。7年間、営業・マーケティング・人材育成・提携会社との商談などさまざまな経験を積んでまいりました。
私の会社はほとんどが女性で、私もそのうちの1人です。私たちは、会社から目標として課せられた「利益」を残すために、自分たちのブランドの底上げ、商品の改善、集客・人材育成などの目標を掲げ、年間を通して取り組みを行っています。
会議としては、月に1度各部門の責任者が集まる「責任者会議」(6時間)と、毎週の「ミーティング」(1時間)があります。
その他、何か新しいコミットが立ち上がるたびに週一回、そのコミットに関わる人員すべてで進捗確認を行う「会議」(30分)が週1~2回程度行われています。
このうち、「責任者会議」は1年間の会社の目標「利益」を上げるための会議です。
「1~2ヶ月単位で取り組みして解決すればその結果、目標達成につながるであろう課題」を抽出し、それを1~2ヶ月で達成できるように担当者を決めて取り組み開始し、最速で解決していくことを目的としています。
「責任者会議」の参加者メンバー数は、全社員の3分の1程度にあたる約10名です。「責任者会議」の進行については、一人の進行役を決めて会議を行っています。
進行役は、基本的に会議中に権限を行使せず、進行役のみに徹します。話し合いや意見の出し合いにも参加せずただ見守るイメージです。
「責任者会議」のおおよその流れ
「責任者会議」のおおよその流れは以下の通りです。
1.今うまくいっていることを全員が紙に書く。
2.全員が声に出して紙を読み上げる。
3.今うまくいっていないことを全員が紙に書く。
4.2同様
5.4で出た紙を並べ、大まかにグループ分けする。(例:人材系問題、商品系問題、ツール系問題、広告系問題など)
6.取り組んで解決すれば結果が出せる、目標達成になると思う課題に票を入れる。(1人2票)
7.得票数の多いもの上位1~2つを今期の「目標」とする。票が割れた場合は得票数の多いものだけに絞り、投票をくり返す。
8.決定した「目標」に対して具体的な着手方法を全員が紙に書く。
9.全員が発表する。
10.すべて貼り出す。
11.この時点で、「着手方法」に具体性がない、イメージが湧かないなど疑問点がある場合は、挙手制で質疑応答を行う。
12.6同様に投票式で決定していく。
13.得票数の高いもの1つを具体的な「行動」として定める。
14.行動の責任者を、他薦の記入方式で決定する。(2つ「行動」が決まったら2つとも決める)
15.開票後、得票数の高い参加者がこの「行動」の責任者となる。
16.責任者を中心に13できめた「行動」をより具体的にTo Do化していく。それぞれの得意分野を考慮して、いつまでに誰がどういう方法をとるのかすべて紙にリスト化して貼り出す
17.会議内容を全スタッフに共有するため、分かりづらいところ、認識にずれが出やすいところがないかを振り返り修正して終了。
18.全スタッフに会議で出た「行動」と責任者、それにともなうTo Doを共有し、リスト化した紙は常に掲示しておく。
19.各自がTo doを期日通り達成していくことで、今期の「目標」が達成されるというのがゴール。
20.これを1年に12回行うことで年間の目標「利益」を達成する
有意義な点
この「責任者会議」で特に有意義と感じる点は以下の通りです。
・全員参加型会議とできる
すべての参加者が、立場を問わずに意見を出せます。紙に書いて発表するので、上司や先輩の意見に合わせることができないからです。また、人の発表の際に「意見」を述べることが禁止されています。
「なるほど」程度に相槌を打つだけです。会議でありがちな「同じです」という発言がなく、全員の本音が出ます。
・実行力が高まる
投票式が基本ですから、やりたいとかやりたくないとか、時間がかかるとか、そういったネガティブな発言の隙がありません。全員の意思で決めたわけですから、やらざるを得ないのです。
・利益意識が向上する
具体的かつ詳細なTo Doを決めることで、小さな1歩の積み重ねが利益につながるという意識がもてます。モチベーションの向上といってもいいでしょう。
改善余地のある点
一方で、改善余地のある点は以下の通りです。
・責任者に選ばれた人が業務負担感を感じることがあります。
・1~2ヶ月で達成することを目的として取り組むため、その期間内に達成できなかった目標が徐々に忘れ去られていくことがあります。
・業務負担感や達成されない目標を放置することが続くと、会議で本音の意見が出なくなります。
特に、目標達成の有無の検証を怠ることで、失敗に目を背ける結果になる点が問題と考えています。ただ、これらの改善余地については、開催時期、開催頻度、内容を見直すことで、改善が可能と考えています。
当社の「責任者会議」は、誰に誘導されることもない会議です。
社歴の長さに関わらず意見を出し合うことができ、会社の方針を変えることもできます。他部署から思ってもみない意見が出されて、刺激を受けることもあります。
参加者全員が前向きな、有意義な会議のよさを活かせるように「責任者会議」を活用していきたいです。