現在、私は30代後半です。支援機関にて中小企業支援を行っています。
製薬関係の仕事を10年ほど行い、5年前に転職して現職につきました。
私は1年間で1次試験の7科目に合格し、養成課程を経て、中小企業診断士を取得しました。
私が1年で1次試験に合格できたのは理由があります。
1次試験の特性を分析して、攻略方法を考えたことが勝因です。
私がどのようにして、1年で1次試験を通過し、中小企業診断士を取得したか、私が立てた”戦略”について、お伝えいたします。
Contents
(1) 1年で1次試験に合格しようと思った理由
私は最初から、1年で1次試験を通過する目標を立てていました。
その理由は以下の2点です。
① 1次試験の科目によっては、年によって難易度が異なる。
② 1年に1回しかない試験を何度も受験したくなかった。
それぞれについてご説明します。
① 1次試験の科目によっては、年によって難易度が異なる
1年で1次試験合格しようと思った理由の1つ目は、1次試験の科目によっては、年によって難易度が異なるからです。
1次試験は7科目あり、科目合格が可能です。
なので、科目合格して複数年で1次試験合格を目指す方も多いと思います。
ただ、この方法には難点があります。
それは、多くの場合、得意科目から科目合格することになるということです。
つまり、残っていくのは苦手科目です。
1次試験合格のためには、60%以上の点数を取る必要があります。
苦手科目だけ残してしまうと、苦手科目だけで60%以上取る必要があり、より難しくなります。
これが一度に7科目であると、各科目40%以上取り、全体で60%以上を取ればいいことになります。
つまり、リスク分散ができます。
(1科目でも、40%未満であると「足切り」になります)
なお、「7科目で足切りをくらわず、トータルで60%以上を目指す」前提で考えたときに、苦手な科目があり、点数が取れないと合格しないと考えました。
そうしたことから、まんべんなく勉強してリスク分散することにしました。
1年での合格を目指さず、複数年かけて合格するつもりであっても、少なくとも一度に4科目ぐらいは受けてリスク分散した方がいいと思います。
一度に2科目だけ受けるとなると、難易度の高い科目が1科目あった場合、どんなに勉強していても突破が難しくなります。
つまり、中小企業診断士の1次試験に1年で合格するために、私が立てた”戦略”とは
「まんべんなく勉強して複数科目受験し、リスク分散すること」です。
② 1年に1回しかない試験を何度も受験したくなかった
1年で1次試験合格しようと思った理由の2点目は、単純に勉強のモチベーションが長続きしないことがわかっていたからです。
これについては、仕事をしながら資格取得をしている方が多いと思います。
やる気になるときもあれば、やる気にならないこともあるでしょう。
疲れていると、集中力も出にくいと思われます。
合格目標時期が遠く、それまでの期間が長ければ長いほど「今じゃなくていいや」という気持ちになりやすいでしょう。そうこうしているうちに、何かと理由をつけやらなくなることも予想されました。
そこで、私は目標時期を1年後と明確に定め、受験時期から逆算して勉強のスケジュールを立てました。
具体的には、1次試験の1年2か月前の6月に勉強を開始しました。
もともと株や投資に興味があったため、金融に関する知識がついていたのは大きなアドバンテージであったと思います。
(2) 1次試験合格までの勉強時間
1次試験の勉強時間は1,400時間です。1科目あたり約200時間勉強した計算となります。
1,400時間を14か月で行ったので、1か月あたりの勉強時間は100時間です。
そして、1日あたりの勉強時間は約3時間30分です。
このように合格時期を決めて、残る日数を逆算したら、1日あたりどのくらいやらないといけないかが明確になります。
(3) 1次試験合格のためにお勧めしたいこと
例えば、5月に受験しようと決意して、8月の試験まで3か月しかない場合を考えてみましょう。
とりあえず、全科目受けてみて雰囲気をつかんでみるという方もいると思います。
受験科目を絞って、1科目でも合格して来年につなげようと考えるやり方もあると思います。
私が行ったように、次の年に7科目を受験して一気に合格を目指す道筋を考える方法もあります。
置かれた状況やバックグラウンドも違うので、どのやり方が最適解かは人によって違うと思います。どちらがよいなど言うつもりはないです。
ただ、1次試験の合格を目指すためには、やみくもに勉強するよりも、勉強を始める前に以下3点を行うことをお勧めします。
①中小企業診断士の1次試験の特性をつかむ
②ゴールを決めて、逆算でスケジュールを設定する
③決めたスケジュールを実行する
しっかりと試験特性と自分自身を分析して、臨むことが重要です。
そういった意味で、中小企業診断士の試験の特性を考えた場合、「多科目を受けて外れ科目を他で吸収することで、リスク回避をする」ことは1つの”戦略”と言えます。
上記の3つができれば、あとはやるだけです。
計画をしっかり立てて、逆算していけば1次試験はクリアできる試験です。
決められた時間を決められたとおりに実行していけば、合格可能です。
勉強したことは嘘をつきません。反復して知識を吸収していかれることをお勧めします。
(4) 養成課程で得たもの
1次試験合格後の次のステップとしては、2次試験と養成課程があります。
私は、養成課程の方がより実践的に学べると考え、養成講座を選択しました。
養成講座では、正直なところ、人と人とのぶつかり合いはもちろんのこと、マウント合戦など大変なこともたくさんありました。
また、
・中小企業診断士の診断には、正解はないということ、
・正論が必ずしも最適解ではなく教科書通りにはならない
ということを嫌というほど思い知らされました。
一方で養成講座の利点も多くありました。
① 自己の客観視と人間的な成長
例えば、養成課程ではグループワークもありました。
グループワークを通じて、自分にはない感性の持ち主と出会い、違った視点を知ることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
何よりも自分という人間を、客観的に観察することができたことは人生の大きな財産になりました。
2次試験はペーパー上のコンサルです。
情報から得た、ある一定のパターンが正解につながります。
しかし、実際のコンサルの場では人が絡みます。
人が絡むと感情が絡み、理屈や理論通りいかないことが出てきます。
養成講座の受講者には理論派が多かったのですが、たとえ理論派であっても感情に大きく揺さぶられる瞬間もあります。
そういった意味で、養成課程を経ることは、人間的な成長につながることを実感できました。
② 優秀な仲間との出会い
養成講座で良かったことの2点目は、優秀な仲間との出会いです。
養成課程に来ているのは優秀な人たちが多いです。
優秀な人たちの言動、思考、話の間などなど。
これらを身近に仲間として触れられる経験はなかなかないでしょう。
他機関のやり方を知ることもでき、大きな財産になりました。
家庭環境などで養成課程への参加が難しい場合もあるとは思います。
ただ、派遣してもらえるチャンスがあるのであれば、養成課程で勉強することは多くの利点があり、お勧めの方法です。
(5) 中小企業診断士を取得して一目置かれるようになった
中小企業診断士を取得した後は、周りから自分を見る目が変わりました。
対外的にも一目置かれるようになりました。
資格取得以前は、自分の言動の論拠が弱いこともあったと思います。
今では、資格保有が一定の保証になっているように思います。
また、実際に養成課程で自分が成長できたことは、自分にとって大きな意味がありました。
中小企業診断士になって何がしたいのかは人それぞれです。
資格取得の目的が明確で、叶えたい気持ちが強ければ、合格に向けてしっかり勉強することができると思います。
勉強を通じて、自分自身の成長を感じることもできるでしょう。
ぜひ、中小企業診断士という資格取得を通じて多くのことを吸収してください。
資格取得の先には、明るい未来が待っています。
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