銀行員である私がマンション管理士資格の取得を考えた理由
私は59歳の銀行員です。大学を卒業して支店周りを3年ほど経験した後は、本店の企画セクションに在籍しています。現在の地位は課長ですが、そろそろ退職する年齢になってしまいました。
定年延長も可能なのですが、長年の激務、それも半端ではない激務、朝は始発、帰りは終電に間に合わないことも度々ある程の激務に疲れてしまっています。
企画を考えるのは好きなので、仕事の内容には不満はありません。職場の雰囲気も大好きです。
ただ、長年、私生活を犠牲にしてきたので、そろそろゆっくりしたいとも思うのです。ゆとりのある生活をしてみたいですし、我慢していた趣味にも手を出したくなりました。
しかし、退職しても何かしらの仕事に関わりたいという気持ちもまた強いのです。
すでに退職した先輩たちを眺めていると、全く仕事をしなくなった方はあっという間に老けてしまいました。そうなるのも何だか虚しいものです。
趣味を楽しむ時間もほしいが、老化しないためにも仕事と両立したい訳です。そこで何か資格を得て、それを元に働けないかと考えたのです。
私はマンションに住んでおり、数年ほどマンションの管理組合の役員を務めたことがあります。その当時マンション管理の勉強を熱心にしたことを思い出しました。
「そうだ。マンション管理士はどうだろう」
そう閃いたのです。
マンション管理士の試験概要
この資格は、試験主体は国土交通大臣で、公益財団法人マンション管理センターを指定試験機関として実施している国家資格です。
マンション管理の勉強はある程度していますし、土台はでき上がっています。修繕工事には企画段階から携わっていましたし、大学では法律を学んでいました。私には多々ある資格の中でこの資格が一番取得しやすい資格に見えたのです。
マンション管理士の合格率は8%程度です。
国家資格の中でも一見難関のように思える数字です。しかし、この低い合格率には裏があるのです。
受験するのは一般に学力が低いと言われる管理会社の社員が多いからです。また、会社に指示されていやいや受験する者も少なくないのです。
当然、受験勉強も疎かになってしまいます。その結果がこの低い合格率に繋がっているのだと推測したのです。
確かに法律の勉強はとっつきにくいのですが、大学時代に法律を勉強している者にとっては、比較的簡単なのではないでしょうか。
マンション管理に関わる法律は9つ程度ですし、範囲も限定的です。暗記する量も他の資格に比較して決して多くはありません。
もちろん法律だけでは足りません。マンションの維持運営に関わる勉強も必須です。しかし、それもマンション住まいの方なら必ず関わることなので入り込みやすいのではないでしょうか。
マンション管理士の受験勉強
さて、私の受験勉強についてですが、平日は仕事なので、週末3時間ほどの受験勉強を7か月程続けました。
うちのマンションのフロントという管理担当者にもいろいろ話を伺い、参考にしました。復習を入れてもその程度の勉強で十分だと思います。3か月で主な勉強は終わり、後はひたすら復習を繰り返す日々でした。
集中して勉強すれば問題ありません。意外とあっさりと合格しましたね。多少引っかけ問題もありましたが、気になるほどのものではなかったですね。
私の場合、実地にマンションの管理に関わっていたのも有利に働いたとは思いますが、関わっていない方だとしても勉強する範囲は比較的狭いので、受験しやすい資格だと思います。マンションにお住いの方は、ぜひ管理に関わることをお勧めします。
管理組合の役員と話してみるのも良いですね。建築に関する専門用語も多いので、慣れておくと勉強するにも入り込みやすいからです。
マンション管理士の資格活用方法
さて、資格は取りましたが、これをどう活かすかは今後の課題でもあります。銀行は副業禁止なので実際にこの資格を元に働くのはまだ先の話です。
しかし、今からその準備を始めています。実は運営に困っているマンションは多々あるのです。有益なコンサルタントを求めるマンション管理組合もまた多いそうです。マンション管理士のニーズは多いのです。
しかし、管理組合に雇ってもらうにはやはり宣伝が必要です。それにはホームページが有効だと考えて、今はどのようなホームページが有効なのかをあれこれ考えているところです。評判を上げる方法も研究しています。
こうして将来のことを前向きに考えることができるようになったのが、資格を取ったメリットの一つだと思います。先のことを考えると楽しいのです。頭の回転も良くなりましたね。前向きなので、笑顔になる日も増えたのです。
おそらくはこの資格で得られるお金は当初は小遣い程度だとは思っています。しかし、努力次第では月20万円程度の収入も可能だと思うのです。私の場合はそこまで欲をかこうと思っていません。好きな趣味と共存しながら仕事と関われたら良いと思うからです。
仕事自体もマンションの居住者の役に立つ訳ですから、やりがいがあると思っています。歳とともに自分のためではなく誰かの役に立ってみたいという思いが強くなったからです。
それが自分の存在意義なのだとも思うのです。
この資格は多くの収入を得られるという類の資格ではないと思いますが、マイペースでそれなりに仕事と関わりたいと考えている方、人の役に立ってみたいと考える方にはお薦めしたい資格です。
もう一つ大事だと思うのは思いやりの気持ちだと考えています。儲け優先で考えるのではなく、どれだけ居住者の側に立って考えられるかが重要だと思います。
それができれば自然と評判も上がって行き、受注も増えるのではないかと思うのです。そういうことができる性格の方にもまたお薦めの資格だと思います。