建設業を営む中小企業で一般事務の仕事に就職
30代後半の女性です。大学卒業後に、建設業を営む中小企業で一般事務の仕事につきました。毎日単調で面白味のない仕事をこなし、だいたい定時で帰宅していました。
27歳を過ぎたころ、リストラの嵐が吹き荒れました。
この先、今の職場で仕事を続けていても、昇給するわけでも出世するわけでもないし、いつまで続けることができるのだろう?
次第に将来に対する不安を感じるようになりました。そのうちに今の仕事自体に興味が持てなくなっていきました。
結婚も考えていましたので、結婚後も長く仕事を続けることができる仕事を探すようになりました。どんな仕事が良いか調べていくうちに、日本がこれから超高齢化社会になることや介護保険制度のことを知り、介護の仕事について一生の仕事にしていきたいと思いました。
介護の仕事を始めるにあたって、介護の資格を取得することが採用されやすくなるポイントであることを知りました。仕事をしながらスクールに通い、半年ほどで資格を取ることができました。資格取得を機に思い切って会社を退職しました。
資格を取得して介護業界に転職
転職は簡単でした。介護業界は人手不足の傾向が強く、未経験でも資格もあればすぐ採用してくれました。
給与は前職よりも2割下がりましたが、
「今、給与が低くても未経験から始めたことだし、これから経験を積んで、ゆくゆくは介護福祉士とケアマネジャーの資格を取得して、福祉業界でステップアップを図っていこう」
と前向きに考えていました。
介護の会社で働き始めて、4年ほど経った頃、国家資格である介護福祉士の資格を取ろうと思いました。仕事をしながら土日にスクールに通い、勉強の末、一年で介護福祉士を取得しました。
その後、合格率20%以下の難関資格であるケアマネジャーの資格にも挑戦しました。一度目の受験では不合格でしたが、介護福祉士の資格を取得して3年後には資格を取得することができました。
ケアマネジャーの資格については、通信教育を受けたほか、土日に短期のスクールに通いました。
資格を取得するための費用は合計で15万円位でした。私が勤めている会社では、介護福祉士やケアマネジャーの資格手当はつかず、昇給は毎年少しずつだけでした。
業務内容も依然として介護という肉体労働で、年齢を重ねるうちに、とても疲れるときが出てきていたので、ケアマネジャーの資格を生かして転職をしてみようと考えました。
ですが、丁度その頃、結婚が決まり、退職することになりました。再就職は子育てが落ち着いてからすることにしました。難しい資格を取得しているから、きっと再就職は大丈夫だと高を括っていました。
結婚後に知った介護業界のパートの現実
ところが、結婚後の再就職は容易ではありませんでした。
子育てが落ち着き、育児と家事の傍らにパートに出る形で再就職先を探しましたが、平日の昼間となると、デイサービスであれば、入浴介助などを任されることが多かったです。
以前よりも重労働な肉体労働で、しかも一時間わずか1,000円という給料でした。
人手不足のせいか十分な申し送りもなく、スタッフの人間関係も良くありませんでした。気苦労も絶えず、賃金も安く、重労働で、家庭のことも疲れてできなくなってしまいました。
正直、これでは、異業種に再就職したほうが体も楽ですし、給与も高いと思いました。
結局、介護の経験が10年ほどあり、国家資格も取得していても、介護業界では、パートでは他の業界に比べ、とても安い給料で重労働をさせられる現実を知り、失敗したと痛感しました。
ただし、パートでは良い条件がありませんでしたが、働き続けたいのであれば、9時から18時までといったフルタイムでなら、良い条件が見つかることを知りました。
とはいっても、フルタイムで働くには、子育てが一段落する時まで待たなければなりません。結局、介護の資格は取りましたが、介護の仕事は辞めて、今はパートで他の仕事をしています。
もしも、介護業界で仕事を長くしていきたいのであれば、職場の人間関係や、賃金などをしっかりと確認していくことが大切だと実感しています。