会議効率化のためのルールづくりとその成果

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会議効率化のためのルールづくりとその成果

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会議効率化のルールづくりが必要になった理由

私(35歳男性)はメーカに勤務し、設計の担当者として業務を進めています。顧客に品物を納めるために、当社ではプロジェクトチームが結成されます。

私は設計担当者として、品質管理、工程管理、プロジェクトコーディネータ、調達などいろいろな部門の方々とともに仕事を行っています。他の会社でも同様に、顧客の要求を満足させ、納期を守るために日々がんばっておられることと思います。

私が勤める会社の職場の雰囲気は、風通しが良く、困ったことや気づいた点があれば、自ら発信できる環境が整っています。ただし、情報発信量の多さから、会議も多くなりがちです。

最近では、フェイス・トゥ・フェイスでのコミュニケーションを重視するがゆえに、毎日、多くの会議が行われています。

会議に割かれる時間が多くなったことから、自分の業務ができないという意見も耳にします。また、会議中に内職(会議とは関係ない仕事)を行っている人たちも見かけます。

このような状況で、業務効率について疑問視する声が出たことから、会社で以下のような会議のルールを作りましたのでご紹介します。

[1] 会議時間

会議時間は原則50分、最長で80分と決めました。また、会議開始時間は毎時10分または40分と決めました。

50分の場合は、例えば、9:10開始10:00終了、9:40開始10:30終了など。最長の80分の場合は、例えば、9:10開始10:30終了、9:40開始11:00終了などとなります。

このように設定することで、次の会議への移動時間が確保できます。会議への遅刻は厳禁とし、定刻に会議を開始して効果的に議論を進め、必ず予定された時間内に終了することというルールにしました。

このルールを決め、次の会議までの移動時間を確保したことで、確実に会議への遅刻者は減りました。

一方で、50分や80分という会議時間に関しては、会議の目的や時間マネジメントをしっかりしないと確保できないため、当初は終了時間ありきで会議が終わる傾向が見られました。

これについては、会議マネジメントという社内教育・講座を行うことで、次第に効率のいい会議ができるようになってきたと感じています。

[2] 会議の招集


会議招集については、社内で使用しているメールソフトのカレンダー機能の一つである、会議招集機能を使用するというルールを徹底することにしました。

社員および社内関係者は、自分の予定を必ずそのカレンダーに入力し、業務上のスケジュール管理を行うことにしました。そうすることで、会議招集者は各出席者の空き時間を容易に検索することができ、参加予定者のスケジュール調整の手間を省くことができます。

参加者についても、会議の目的に照らして議論に不可欠な関係者を厳選することにしました。会議に招集されなかった関係者に対しては、必要に応じて会議の議事録を送付します。

一方で、会議に招集された者が、自身の参加の必要性に疑問を持つ場合には、主催者に問い合わせ、欠席、結論のみの通知あるいは会議への部分的参加を打診することにしました。

会議主催者は、会議での議論のために参加者が読んでおくべき資料がある場合は、余裕をもって事前配布するようにします。

配布資料は議論に必要な最小限の分量とし、関連資料の一部だけが必要な場合はその部分を抜粋するか、あるいは別途要点をまとめた資料を準備します。

参加者は必ず事前に配布資料に目を通し、自分の意見・考えを整理しておくというルールにしました。

各自の予定を自分のカレンダーに書き込むルールについては、スムーズに行われるようになりました。

会議招集時には、各自の予定をパソコンで確認して招集できるので、電話での調整などの手間暇が少なくなり、その時間を本来の自分の業務に充てることができるようになったと感じます。

会議の主催者が会議の内容を吟味して事前資料を作ることについても、資料作成によって会議内容を具体的にイメージできるようになり、誰を呼ぶべきかが自然と決まるようになったというメリットがあります。つまり、会議を行う前の準備・段取りが大切であるということです。

一方で、主催者の負担は増えています。

ただ、出席者の大切な時間をいただくことを考えると、会議主催者には会議の質を保って会議を運営する義務があります。

事前準備の徹底は、会社全体の効率を上げることにつながると感じています。

[3] 会議の進行

会議主催者は、会議中は司会役(ファシリテーター)を務めます。司会役は会議の冒頭に、会議の目的、議題、終了時間、各議題の時間配分などを参加者全員の前で確認します。

「本日の会議の目的はXXXで、XXXが達成されたら会議は終了です」と宣言して会議を開始すれば、参加者のマインドが同じ方向を向きやすくなり、会議をスムーズに運べるようになります。

会議目的をホワイトボードなどに書いておくことも会議目的の共有という観点で有効です。

会議の場で、最短ルートで結論に到達するには、アジェンダに沿って会議を進行させることが必要です。そこで、ディスプレイやプロジェクターを使用して参加者が常にアジェンダを確認できるように工夫します。

また、司会役は、結論に導くよう議論をリードし、論点が逸れたり、発散しないように注意します。

会議の前に、役割分担(タイムキーパー、書記係など)を決めることも重要なポイントです。時間管理は、司会者とは違う人に依頼する方が良いでしょう。

議論の展開によって、一部の参加者のみに関係することが出てきた場合には、別途議論の場を設けることとし、参加者全員に関する事項を優先します。

会議後のアクションが必要な場合は、誰がいつまでに完了するかを決定し、各議題の結論とアクションを確認するふり返りの時間を必ず取ります。

このルールについては、会議の司会者・ファシリテーターの技量によって、会議の質が決まり、生産性の高い会議にできるかどうかが決まると感じています。

以上[1]から[3]までの会議に関するルールをご紹介しました。このような決まり事を守ることは、最初はなかなか難しいと思いますが、一度、やってみることをオススメします。

実践してみることで、そのまま適用できるところと、その会社の雰囲気ややり方にアジャストしていく必要があるところの切り分けもできると思います。

また、会議のファシリテーターの技量アップは重要なポイントです。ただ、これについては、市販で販売されている参考書などを利用して、各自でスキルアップをしていくしかないのではないでしょうか。