ある中規模の団体に勤める30代後半の男性(係長級)です。
これまで企画・折衝などさまざまな部署を渡り歩き、新規事業の立ち上げや予算確保、役員会対策を任されてきました。
マーケティングの基礎知識はどんな職業・職場でも必須と考え、5年前に中小企業診断士の資格を取得しました。
Contents
(1) 論理的なマーケティング視点を得るために資格取得を目指す
私の職場で、マーケティングの視点を持った人の数は、決して多くありません。それどころか論理的にマーケティングできる人材は、ほとんどいないというのが実際のところでしょう。
どのようにすればお客様が喜んでくれるのか。企画立案能力はもちろん、窓口などさまざまな分野で、マーケティングがいらない職場は一つもありません。
どの職場にあっても、論理的思考ができる人材になりたいと考えるようになったのが資格取得のきっかけでした。
もちろん、将来的に大量に職員が整理解雇されることも予想していました。資格取得は、自分が生き残るための手段でもありました。
(2) 過去問で力をつけた1次試験対策
勉強を始めて2年で合格しました。
お金をかけたくなかったので、主に独学でチャレンジしました。トータルで15万円くらいかかったと思います。
大切なのは、自分にぴったりの教材を見つけることだと思います。最初の1年目は、何から手をつければ良いかわからず、まず取り寄せたのが、大手通信教育のテキストでした。
1次試験対策の大量のテキストをずらりと本棚に並べ、とりあえず片っ端から読んで解いてみました。
中でも、財務会計のボリュームは重い上に技術が必要で、2次試験でも重要視されることから、注力する必要があると感じました。
続いて取り組んだのが、過去問ベースに解説が追加されている「スピード問題集」です。
企業会計理論、財務・会計、運営管理、経営情報システムの4冊はくり返し解きました。
財務・会計は毎日取り組み、5回くらい解いたと思います。反対に、経済政策などはずっと手をつけず、試験直前の暗記で乗り切りました。
思考力が問われるものは早めに、その他は直前に。教科で強弱をつけました。
スケジュール管理と間違いばかりを集めたノート作りも取り組みました。
過去問は5年分ほど解きました。
ここまでの反省点は、2次試験対策が全然できていなかったことです。
1年目の1次試験では財務会計で足切りとなり、科目合格で終わってしまったのですが、仮に合格していても2次試験の合格は厳しかったでしょう。
(3) 本丸の2次試験対策
この試験で攻略するべき本丸は、2次試験です。問題集によって正解や解説のニュアンスが異なり、なかなかやっかいに感じました。
通信講座も申し込んではみたものの、解答のコツをつかむまでには大変な苦労が必要でした。
これから受験する人にぜひ気づいてほしいのは、問題文に含まれる言葉のエッセンスです。
採点のカギとなる言葉を盛り込むために、問題文中の読み取るべき誘い文句やポイントに気づく必要があります。
4色のマーカーを用意して、問題文中のキーワードをSWOT別に色分けします。
少ない時間でパズルの正解を見つけるように、色を目印に解答中のモレとダブりをなくすことに注意しました。
(4) 資格取得後、知識を活かして、国レベルの表彰を受ける
中小企業診断士の試験対策は、現実をとらえ、課題を抽出し、解決策を導き出す訓練です。
1次・2次試験を通じて基本的論理を習得し、実習で徹底的に経験することで、一定のレベルに到達することが可能になります。
このプロセスが活かせない職場はないだろうし、これができない人は生き残れないと今では実感しています。
実際、合格後に在籍したある部署で、従来なかったマーケティングの視点を導入してみました。
市場をセグメントし、ターゲットにふさわしい事業を打ち出したところ、企画は大成功。全国ニュースになり、国レベルの表彰を受けることもできました。
しかし、合格で一番うれしく感じたメリットは、人脈が広がったことかもしれません。
実習を通じて、ふだんでは知り合えないような業種の仲間がたくさんできました。
彼らとの交流は、今後も自分の人生を支え続けてくれるものになると思います。
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