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1.「独占業務がないから、食っていくのはなかなか難しい」
40歳男性です。地方の公的な団体に勤務しています。所属部門は、総務企画部門という立派な名前の部門ですが、実際には「何でも屋さん」です。
社会保険労務士の資格も有しており、就業規則関係の整備や社会保険関係の事務手続きを主に担当しています。
社会保険労務士の資格を取得したのは、もう十数年以上前のことです。中小企業診断士という資格の存在は知っていましたが、どのような仕事なのかはよくわかっていませんでした。
開業されている、知り合いの社会保険労務士の先生から「中小企業診断士は独占業務がないから、食っていくのはなかなか難しい」と聞いた記憶があります。
私としては「まあ、そんなもんなんだろうな」という程度の認識でした。
それが、なぜ中小企業診断士を目指すことになったのか。その理由と決意した瞬間は今でも鮮明に覚えています。
2.ぬるま湯に浸かる日々。中小企業診断士の資格取得を思い立つ
決意したのは2018年の子どもの日のことです。息子が一生懸命、お受験の勉強に取り組んでいた時期でした。
私は、お勉強中の息子の横でビールを飲みながら、スマホゲームに興じる自分に疑問を感じる日々を過ごしていました。
かつ、2017年までは東京で勤務しており(転職したわけではなく、出向です)、地方の緩い時間の流れの中でぬるま湯に浸かっている感覚が沸々と育ってきた時期でもあります。
そんな2018年5月5日、近所にあるお気に入りのラーメン屋でチャーシュー麺を食べているとき
「中小企業診断士を目指そう!」となぜか急に思い立ったのです。
今思うと、とても不思議な感覚でした。
あの日、あの時、あの場所に中小企業診断神が降りてきたと本気で思っています。
3.独学一発合格を目指す
ラーメンを食べながら、スマホで中小企業診断士用のテキストをチェックしました。
地方に住んでいますので、勉強方法は独学か通信教育に限られます。人の話をじっと聞くのが苦手ということもあります。
社会保険労務士試験も独学一発合格でしたので、今回も独学一発合格を目指す決意を固めました。
選んだテキストはTAC出版の「スピードテキスト」、「スピード問題集」、「過去問題集」でした。選んだ理由は、楽天ブックスに在庫があって、真っ先に表示される傾向にあったからです。
「売れているものは良いものだ」理論です。
その日の午後に一通りの教材を注文しました。教材が届いたら、生まれ変わった自分に会えるはずでした。
さて、テキストが届いて生まれ変わった自分に会えたのかというと、実際には、趣味の釣りに興じる自分がいました。
「どうせ2018年の1次試験には間に合うはずがない」
「かといって今からがんばっても2019年の試験前にピークきちゃうよな」
「今はしっかり遊ぶ時期だ」
という発想です。
我ながら情けないですね…。
4.勉強を開始すると面白くてしょうがなかった
8月頃からは真剣に中小企業診断士試験に向き合いはじめました。簿記2級保持者かつ、経済学部出身という点で何となく素地はあったように思います。
勉強を開始すると面白くてしょうがなかったです。特に好きだったのは企業経営理論、運営管理、財務会計です。
逆に苦痛に感じたのが、情報システムと中小企業政策です。
理解系科目は好きで、記憶系科目は嫌いということですね。同じような感覚の方は多いのではないでしょうか。
そんな感じで1次試験にしっかりと1年間の時間を割くことができました。
勉強の進め方はゴールから考えました。試験前日にどういう状態にあれば合格できるのかをイメージしました。
自分の出した結論は「直近5年間の過去問を選択肢レベルで100%理解しておく」でした。
そのために過去問演習を徹底しました。逆にいうと、過去問しかやっていません。テキストはほとんど読んでいません。模試については、受ける発想すらなかったです。
結果的には、一次試験は全て6割以上の得点で合格できました。直近5年分を100%理解していれば、試験問題の6割は高い確率で取れると思います。
5.もっと早く着手すればよかった!掴みどころのない2次試験
さて次は2次試験です。2次試験の勉強については、1次試験終了後に着手しました。用意したテキストはTACの「過去門集」、「ふぞろいな合格答案」です。
実は早くに購入してはいましたが、中身を見てはいませんでした。
実際に中身を見てみて、それまで着手していなかったことをものすごく後悔しました。だって掴みどころがないんですもの。
・加点されたとして減点もあるのか、とか。
・文章構成は点数に影響するのか、とか、とか、とか…。
頭痛くなって具合悪くなりそうでした。勘所がわからないんです。
結局、過去問を延々と解きまくりました。そうして1か月ももがいていると、解答レベルが向上していることを実感できるまでに成長しました。
最初は200字で答えることが困難であったのに、200字の感覚が身についてきたのだと思います。
後でふり返って思うことは、2次試験の対策は、絶対に余裕のあるうちに進めるべきだということです。
ちなみに2次試験も過去問しかやっていません。模試を受ける余裕はなかったです。
10年分の過去問を3回転して迎えた2次試験本番、とりあえず枠を埋めた実感はあり、何となく受かっている予感はしていました。結果、一発合格。
嬉しいかというと、もちろん、嬉しさはあるんだけど、手放しの嬉しさではないといいますか。社会的責任が増えてダラダラし辛くなったなあ。メンドくさいなあというのが正直な感想でした。
6.マインドが覚醒する資格
今は実務補修を終え、近々、中小企業診断士登録を行う予定です。
自分自身の変化といえば、文書作成スキルを高めたいと考え、ライティングの機会を意識的に増やすためクラウドソーシングに登録してみたり、知り合いの企業診断を行ったりして過ごしています。
基本的に、自然体で流れに身を任せるというスタンスに変わりはありません。
ただ、中小企業診断士・社会保険労務士としての独立も自身の人生の選択肢にリアルに存在しています。
お勧めするか、しないかで言ったら、確実にお勧めです。勤務先の後輩にも勧めました。
中小企業診断士とは、マインドが覚醒する資格だと思います。
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