1.中小企業診断士を目指したきっかけ
20代後半、男性です。
地方のコンサルティング会社にて、中小企業向けのコンサルティングの仕事をしています。
中小企業診断士の取得後に現在の会社に入社し、社歴は3年目です。
具体的な案件の内容は、事業計画の策定支援や補助金等各種施策申請支援、マーケティング・調査支援等が多いです。
中小企業診断士の受験勉強を開始したのは大学3年生の時でした。
きっかけは、東日本大震災が発生し、それによる企業の倒産や失業等の報道を目にしたことです。
最終合格までには3年を要しました。
2.中小企業診断士に合格するまで
1次試験については、大手資格学校のストレートコースに週2回通学し、初年度にストレート合格。
2次試験については、1年目の不合格後、大手資格学校の2次専門コースに2年間通学し合格しました。
資格学校の学費だけで30~40万円程度の出費となりました。これに加えて、交通費や参考書等、総額で50万円は超えていると思います。
効果のあった勉強方法についてですが、1次・2次とも過去問題をくり返し解くという方法をとっていました。
具体的には、毎回の講義の後、論点別に過去問が整理された問題集を5回転はしました。
1次試験前には年度別の過去問を何回転もさせて、「セルフ模試」をひたすら繰り返した記憶があります。
財務だけは違う方法で、日商簿記検定や公認会計士試験の該当部分の問題を解いていました。具体的には、管理会計論やファイナンスの難しい問題を繰り返し解き、確実に8割を確保できるようにしていました。
2次試験については、過去問題を材料に、ロジカルシンキングを身につけることを意識していました。
具体的には、1次試験で勉強したフレームワークを活用しつつ、分析や対策検討におけるMECE(漏れなくダブりなく)の徹底、結論と根拠が適切につながっていることの確認等の訓練を繰り返しました。
キーワードを拾う等のメジャーな方法と比べるとやや遠回りしたような気もしますが、実務に入る前にロジカルシンキングを身につけられていたことは大きなアドバンテージになったと感じています。
3.中小企業診断士になって得たこと
中小企業診断士の取得・登録後についてですが、圧倒的に人脈が広がったことが第一に挙げられます。
中小企業診断士には組織を超えたネットワークを構築する機会が多く(診断協会や研究会、有志の集まり等)、Facebookの友達は500名程度増えたように思います。
「20代で中小企業診断士に受かる人」はなかなか珍しいようであり、自分の親ほどの年齢の方とも利害関係なく同じ目線で交流できることは自信につながりました。
資格取得当時は人材紹介会社で企業向け営業職に就いていました。
中小企業診断士の取得により、単に採用ニーズに応えるのではなく、財務(損益)の視点や経営戦略に関わる提案ができるようになったことが、本業において大きな強みになりました。
また、中小企業診断士の取得後、副業ではなく本業としてコンサルティングに従事したいという想いが強くなり、コンサルティング会社に転職しました。
先輩や上司もほとんどが診断士資格ホルダーであり、また上記のネットワークの中に入っています。
4.中小企業診断士の資格の今後の活かし方
今後の資格の活かし方についてですが、実務を通じコンサルティング能力やセミナーの能力を高めていきたいと考えています。
中小企業診断士は独占業務がないと言われる一方で、行政・公的機関の経営系の専門家派遣には、実質的に診断士資格がないと入り込めない状況になっています。
そのため、まずは公的支援の経験を積み、その中で中小企業との関係を深め、その後、民間契約でコンサルティングをしていくような動きが最適ではないかと考えています。
また診断士の取得を通じて会計や財務について理解が深まり、この分野を強みに仕事をしていきたいと考えるようになりました。
企業の管理会計や税務(法律問題)への対応力を強化するために、税理士とのダブルライセンスを目指しています。
中小企業診断士は決して易しい試験ではなく、むしろ最終合格率は5%未満と難関試験となります。
しかしながら、試験勉強を通じた自分自身の成長や、診断士同士のネットワークは、通常の仕事を通じては決して得られないものだと思います。
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