1.中小企業診断士資格を取得しようと考えた理由
私は現在、中小企業を支援する公的支援機関で働いている29歳の女性です。組合に加入している1,000ほどの企業の運営サポートをしています。大学院では経済を専攻し、大手外資系コンサルティングファームへ就職しました。
就職した大手外資系コンサルティングファームでは、1年目から大きなプロジェクトに関われて、仕事のやりがいもありました。ただ、仕事量が多く、毎日終電で土日も仕事という日が1年間続いたのです。
2年目に入った頃には、大企業のコンサルよりも、もっと小さな会社や商店などを活気づけて、経営者の方の力になれる仕事をしたいと思うようになりました。
そのうちに、仕事の忙しさとノルマから精神的にも限界になりました。その結果、就職して2年で、新卒で入った会社を辞めて無職になりました。
体調も崩していたので、人間らしい生活をしっかり取り戻すことを優先して、仕事探しをすることにしました。そのときに、どんな仕事をしたいのかと考えてみて、また経営コンサルタントの仕事がしたいと考えました。
ただ、前の勤め先と同じようなコンサルファームに戻ることは考えられませんでした。もっと長いキャリアが可能な仕事で、さらには将来、独立することも視野に入れて、転職を考えました。
前に働いていた会社では、MBA所持者が多かったことから、何らかの形でマネージメントができることを証明することも重要と思っていました。
私は日本の公的資格である中小企業診断士のことを知っていたので、転職活動をしながら、この資格にチャレンジすることにしたのです。
中小企業診断士資格を持っていることで、転職にも役立てることができるだろうと考えました。
2.中小企業診断士資格の勉強方法
MBAの資格を取るには、海外への留学を考える必要があり、費用も膨大です。それに対して、中小企業診断士は、国家資格であり、国から認定された経営コンサルタントになれる点でとても魅力がありました。
私は通信教育の中小企業診断士コースを受講することにしました。2年間働いた蓄えがあったのですが、無職なので、なるべく節約して学習したいと考えたところ、ウェブの講座を見つけました。費用は20万円ほどで、受講期間は1年半でした。
前半は周辺4科目(中小企業経営・政策、経済学・経済政策、経営法務、経営情報システム)を集中的に学習し、1次試験に合格してから主要3科目(企業経営理論、運営管理、財務・会計)で2次試験対策ができる講座だったので、効率的に学習することができたと思います。
また、インターネットがあればどこでも受講できたので、私にとってはやりやすかったです。講義はスマホに入れることもできたので、アルバイトの間に学習することもできて便利でした。講義は1次対策では全20回ありました。全国模試も2回受けました。
合格率が低い試験ではありますが、しっかりと厳選された内容のテキストを繰り返し学習することで、1度の受験で合格することができました。
私はアルバイトだったので、勉強時間は充分確保できたのですが、他の方は働きながら資格を取得する方が多いようでした。
3.公的支援機関への転職に成功
中小企業診断士の資格を取得後、中小企業支援の公的機関が正社員を募集しているという求人をたまたま目にしました。
その公的機関では、女性の方も多く活躍されていて、結婚や出産をしても産休や再雇用がされているようです。取得した資格を活かすことができ、地元の産業復興に関わることができる魅力的な仕事でしたので、早速応募することにしました。
一度離職して、アルバイトになっていましたが、前職の経験や中小企業診断士の資格のおかげで、無事採用されたのです。
4.中小企業診断士の資格を活用して
現在の職場は、社会労務士資格や中小企業診断士資格を持って活躍している方が多く、そうした方々といっしょに仕事をできることが、さまざまな面で勉強になっています。
働いてまだ半年程度ですが、中小企業組合などの設立のサポートが主な仕事です。また、経営者向けのセミナーなども開催しており、地域の経営者さんと話す機会が多く、いろいろな相談を受けています。
前職よりも、経営者からの感謝の言葉や変化がダイレクトに届くので、とてもやりがいがあり、楽しいです。今後もいろいろな組合を担当し、中小企業診断士としての知識と経験を増やそうと思っています。
これから中小企業診断士を受ける方は、どんな仕事であってもプラスになるはずです。転職にも有利ですし、マネージメントに必要な知識が身につきます。
資格取得は簡単ではありませんが、戦略的に学習計画を練ることで合格することができる資格です。
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