MBA取得後、中小企業の知識補完のために中小企業診断士を取得

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MBA取得後、中小企業の知識補完のために中小企業診断士を取得

MBA

私は重電・産業用電気機器業界の企業の資材部で約7年間、働いている30代の男性です。

最初の3年間はバイヤとして、国内・海外の仕入先から電気機器の部品や素材を調達していました。直近の4年間は、調達企画グループの主任として、バイヤが使用するシステムの構築・サポート、取引先管理等に従事しています。

(1) 国内の大学院にてMBAを取得

コロナの影響で会社の受注状況は厳しい状況です。それに伴って、仕入先への発注も厳しい予算となっています。

このような状況下でも、下請取引先に対しては下請法遵守を徹底する必要があります。

厳しい予算の中で、予算と法令遵守のバランスをうまく取る施策を考えていかねばならない、ということは、現在の職場での一つの課題となっています。

また、ただ単に仕入先に、品質・コスト・納期の改善をお願いするのではなく、資材部から積極的に仕入先に入り込み、Win-Winの関係で共に改善していく、ということも重要な課題です。

私が中小企業診断士の資格を取得しようと思ったきっかけは二点あります。

第一は、中小企業診断士の知識分野に、国内MBAの知識と重複する部分があることです。

私は、現在の職場に勤務する前、国内の大学院にてMBAを取得しています。MBAの知識は、中小企業診断士の試験の企業経営理論や財務・会計と重複する部分があります。

国内MBAは主に大手企業を中心に分析する授業が多かったため、中小企業も分析できるようになれば、知識の補完になり、鬼に金棒と考えました。

第二に、資材部として中小企業の仕入先とより良い関係を構築したいと考えたからです。

下請法の遵守はもちろんのこと、運営管理や中小企業経営・政策といった知識も活かして、より深く中小企業に入り込むことができれば、Win-Winの関係を構築できるのではないかと考えました。

この二点から、中小企業診断士の受験を検討するようになりました。

(2) 3年で中小企業診断士に合格

中小企業診断士の勉強を始めてから資格取得まで、私は3年かかりました。

最初の1年はTAC出版の「中小企業診断士 最速合格のための スピードテキスト」を用いて独学で勉強しました。その結果、企業経営理論と経営情報システムの2科目に合格しました。

しかし、このままでは全科目合格までの道のりは遠いと考えて、2年目からはTACの「1・2次上級本科生」の通学講座に通うことにしました。

その結果、1次試験に合格したものの、2次試験は落ちました。

そこで、3年目は同じくTACの「2次本科生」の通信講座を受講。無事に2次試験(筆記・口述)に合格しました。

3種類の勉強方法を通じて感じたのは、独学で合格するのはやはり相当強い意志を持っていないと厳しいということです。

通学講座は確かに手間はかかります。一方で、30万円支払ったから元を取らねばという強制力が働く点はプラスです。また、周りの受験生と切磋琢磨できるという点は大きいです。

1年目の独学の時にかかった費用は3万円程、勉強時間は300時間程でした。

それに対して、通学・通信合わせて50~60万円、2年間で1,200時間程かけたものの、独学とは違って「正しい努力」ができます。

その実体験から、私は予備校を利用することをお勧めします。

(3) 合格後、中小企業診断士の知識を仕事に活用

中小企業診断士取得後、まず資格手当の3万円を会社から受け取りました。

また、ちょうどその頃バイヤから調達企画グループに異動となり、取引先管理の仕事を担当するようになりました。

この仕事をする上で、財務分析等をするためのExcelをフォーマット化し、仕入先の評価シートとして資材部内に展開できたのは、中小企業診断士の知識のおかげだと感じています。

社内での評価が上がったかどうかは定かではないものの、現在の仕事に活かせていることは事実です。

(4) 合格後、社外ネットワークが広がった

次に、実務補習や研究会を通じて、社外ネットワークが広がった点も大きなメリットです。

ふだんはメーカの人としか関わりがないので、金融や小売業の中小企業診断士の方々と知り合えたことは非常に刺激になっています。

自分が常識だと思っていた事柄が常識ではないと気づかされることも多々あります。

また、独立診断士の方々と関われるのも有益です。診断士の資格だけではダメで、専門性を身につけなければ報酬にはつながらない、ということを強く感じています。

最後に、私は独立や転職は今のところ、考えていないものの、副業等を通じて、中小診断士の仕事を広げていければと考えています。

現在、中小企業診断士の資格取得を検討されている方々は、これから多くの時間とお金を費やすことになるかもしれません。

ただ、その時間は決して無駄なものではないと思います。資格を活かせるかどうかはその人の努力や意志次第です。

コロナの影響で多くの中小企業が苦しんでいます。一人でも多くの方が中小企業診断士となり、それぞれのフィールドで活躍することができればと思っています。

なお、私が財務会計の学習に使用した書籍「新・現代会計入門」について以下に記載しています。
「財務会計に役立つ-「新・現代会計入門」(伊藤邦雄・日本経済新聞出版)」

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