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試行錯誤の末に企画部門を引っぱっていけるようになった
詳細を記すことは控えたいのですが、最近、業績の伸長が著しい、ある「メーカー」に勤務している男性です。年齢は40代です。社内では中堅的な役割の役職についています。
私は入社以来、総務畑だったのですが、30代後半から、企画部門に転属となりました。斜陽と言われかけていた会社を立て直すためにも“外に打って出る企画部門が命綱”と上司から言われ、自分自身でもそう自覚していました。
自分なりに会社の先輩に教えを請い、また、大学時代の先輩にアドバイスをいただきながら、試行錯誤の末に企画部門を引っぱっていけるようになりました。
今、会社は斜陽どころか、一気に全面展開の様相を呈しています。自分でいうのもなんですが、会社とともに心中するとの覚悟でやってきた結果だと思います。
そして、私はだけでなく企画部門の先輩、同輩、後輩たちが同じ思いで戦ってきたことの結実だと思います。
何度も何度も喧嘩しました。憎み合いました。本当に「殺意」さえ芽生えたことがありましたよ。しかし、それぐらい皆が本気になって取り組んだからこそ、会社は蘇生したのだと確信しています。
というわけで、企画部門としての会議の持ち方について、この数年間において学んだことを以下に記させていただきたいと思います。
企画部門として提示した企画を形にするための3つの工夫
会議はだいたいひと月に二、三回以上開催されています。
まず何より、会議を開催するからには、主催者は、決着点・着地点を明確にして臨むべきです。
合議制とはいっても、たかが2時間、3時間で合議など生まれるわけがありません。主催者が「これでいくんだ」という強い意思のもとに組み立てた企画を提示し、皆さんの賛同を得るための会議にすべきです。
ただし、上段から押しつけるということではなく、最終的に、皆が、「まあ、いろいろ、あるけれど、それでいくか」という消極的な賛同も含めて勝ち取るものでなくてはなりません。
(1)配付資料の角を揃える
まず大事なことは、「配付資料の角を揃える」ということです。
一人一人に配られる資料をきちんとそろえて配付する。それによって、参加者は「主催者は真剣勝負で臨んでいるんだな」と感じるわけです。
(2)できるだけ多くの人の意見を引き出す
そして、「できるだけ多くの人の意見を引き出せ」ということです。
主催者側の企画に賛同している人もいれば、そうでない人もいます。しかし、賛同している人の意見だけを引き出せば、一体感が生まれません。そのために、賛同していない人の意見をできるだけ長く話させることです。
最終的に、その意見が用いられなくても、
「言いたいことは言わせてもらった」
という心証を残すことが大事です。皆が、合議で決まったからにはそれで行こうと納得するためには、この作業が大変大事です。
(3)「さくら」を作る
さらに、「さくら」を作れということです。企画に賛同する意見、反対する意見はどうしてもあります。しかし、その両方が主張していても、会議はいつまでもダラダラと続いてしまいます。そのために、会議を終局的な方向にもっていく「さくら」を仕込んでおくのです。
それは、企画に賛同するグループから出すことになるのでしょうが、賛同しながらも、「ちょっと、ここの部分が心配。賛同しない人の気持ちもよくわかる」というスタンスで話させるのです。
さらには、その人に、主催者に噛みつくぐらいの勢いで話させるのです。そうすると、賛同しない人たちも、
「まあまあ。そこまで熱くならなくても」
と、フォローに回る空気さえ生まれてきます。
ある企画が成功したとき、ある先輩から言われた一言
このように、提示した企画を何としても形にしたいという主催者の熱と知恵によって、すべてが決まるのだと思います。
そして、根底に、
「賛成も反対もあるけれど、皆さんと同様に、自分は会社と心中する覚悟だ。
だから、この私に、皆さんの命を預けてほしい」
という強い気持ちがあるかどうかです。そうした気持ちがあれば、皆さん、ついてくると思います。
ある企画が成功したとき、ある先輩から、
「俺は、会議での君の居丈高な態度が気に入らなかった一人だが、今は本当に君を尊敬しているよ。これからも喧嘩しような」
と言われたとき、思わずむせび泣いてしまいました。
自分が功をなそうというスケベ心でなく、捨て石になろうという犠牲心、覚悟が大事だと思います。
それで報われなければ、別の世界でやろうとさえ私は思っています。