自分が言いたいことを発言して理解してもらうには人間関係も重要

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自分が言いたいことを発言して理解してもらうには人間関係も重要

ビルディング

不動産賃貸業の上場企業で

現在42歳の男性です。5年前まで不動産賃貸業の上場企業に勤めておりました。勤続年数は11年。埼玉県の支店で賃貸営業の管理職を務めておりました。

企業は全国規模の会社なので、支店数も数百ございます。月初に、エリアごとに次長が管理職を集め、戦略会議を行います。

会議名こそ戦略会議という名称でしたが、実際には、実績発表がメインの場でした。そして、実績の悪い管理職は全員の前で吊し上げられるのが、この業界の普通です。

たとえば、一番実績の悪い支店の管理職は、会議の書記役となるという決まりでした。会議は、朝の9時から夕方17時までほぼ一日にわたって行われていました。一日にわたる会議の内容を取りまとめる、会議の書記役は非常に大変な仕事でした。

この不動産賃貸業という仕事は、家主様からお預かりしているアパート、マンション等を我々営業マンがお客様に提供し、客付けしていく仕事です。

企業として注視していた指標は空き家率です。空き家率が悪化すると株価にも影響すると言われており、空き家率を悪化させないように、我々の部署は上層部から非常に厳しく指導されておりました。

そうした状況下で、各エリアの次長は支店ごとに現状把握を行い、問題点を発見して、我々の指導を行うことになります。

エリアによって、上からの命令をそのまま下ろす次長もいれば、全部を下ろすわけでなく我々がやりやすいように指導してくれる次長もおられ、さまざまでした。

我々のエリアの次長は、全ての指令を下に下ろすタイプの方でした。上司からの要求は厳しく、我々にとって会議は苦痛でしかありませんでした。

会議での厳しい指導と公平さに欠ける予算配分

会議開始時に最初に行うことは席替えです。毎回、成績ごとに座る位置を変えるのです。不動産業界ではよくあることです。次に支店ごとに発表をしていきます。実績が悪い支店については

・なぜこんな成績なのか?
・部下に対する指導の仕方が悪いのではないか?

などなど、ここで30分ほど説教が入ったりします。

指導が悪いわけではありませんが、あまり言葉がキツイと聞いている他の管理職も次第に嫌気がさしてきます。今はあまりないと思いますが、ひどい上司だと新人の管理職に対し、暴言を吐く人もいました。

支店発表が終わると、会社で起きた問題、またエリア内で起きた問題などについて次長より話があり、自分たちの支店は大丈夫か?などの確認をします。これは当たり前のことだと思います。

問題は次です。各支店別に広告宣伝費の予算設定をするのですが、ここで、えこひいきがあることがありました。実績のいい支店、長いつき合いの管理職、またまた元部下だった管理職に対して多目の予算がとられ、関係性の薄い管理職の支店には予算が少ないということがありました。

私の場合は、自分なりの戦略を発表し、予算が必要な理由を説明して交渉することで、予算をもらうことができていました。

ただし、管理職がそうした交渉ができないと、その支店は予算をもらえないままとなります。予算もつけてもらえないと、実績を上げることも難しくなります。

最後に、エリアの戦略として何を行うのか?を発表していきます。これが我々にとって非常に重要です。ただし、内容によっては部下に負担をかけてしまうことになります。たとえば家賃交渉です。

我々の仕事は、お客様を客付けするだけでなく、家主様に対し相場に合った家賃とするように交渉することも含まれます。実施するのは部下です。

家賃が相場に合っていなければ交渉に出向きます。交渉が困難な家主の場合は、我々管理職が出向いて交渉します。家主様は数百人おられますので、これは非常に大変な仕事で精神的にもハードです。

家賃交渉に際しては、家主様のリストを作成して上司に提出します。このリストを元に家賃交渉の期限が決められ、できない場合はなぜできないのか?という理由を会議の場で発表することになります。できるまで、これは毎月ずっとくり返されます。

ただし人間関係ができていると発言もしやすくなる

私は、会議は自分の意見が言える場所であるべきだと思っています。意見の発表ができない会議は無意味だと思います。ひどい上司の場合は、発表の場も設けず一方的に指導して終わりです。一方的な指導であれば会議は必要なく、書面での通達で十分だと思います。

この業界では、実績に対する意識が強いので、日頃から報連相をしっかりしている管理職が強いです。

私も上司との関係性が構築できるまでは、暴言を吐かれることもあり大変でしたが、嘘をつかないこと、また報連相をしっかりすることで人間関係を作ることができました。それによって、会議の場でも発言がしやすくなりました。

私は、自分が言いたいことを発言して理解してもらうには人間関係も重要ということを、会議を通して学びました。

他の業界でも同じかもしれませんが、特に不動産賃貸業界でがんばろうと思っている方は、人間関係の重要さにも気をつけるようにされてはいかがでしょうか。