30代女性の中小企業診断士資格取得-仕事もプライベートも充実

仕事に役立つヒントが見つかる!会社員の体験談

30代女性の中小企業診断士資格取得-仕事もプライベートも充実

女性社員

1.中小企業診断士を取得しようと思ったきっかけ

30代女性です。会計税務を軸として総合的なサービスを提供するコンサルティングファームに勤務しています。

これまでに、大企業の経理部門、ベンチャー企業での経営企画、経営・マーケティングのコンサルタントの業務経験があります。

現在は、自社の事業拡大のためのマーケティングと顧客対応に注力しています。特に最近増えているのが、起業したい方や創業したばかりの方からの相談です。

これまでの業務経験を活かして、いろいろと相談に乗ることはできてはいたのですが、
・特に資格を持っているわけでもないこと
・また、久しく体系的に知識を整理して勉強することをやっていないこと

に、自分自身として、若干の違和感を抱いていました。

そんな中で見つけたのが中小企業診断士の資格でした。

会社経営に関わるさまざまな知識を体系的にしっかり勉強し直したい、と考えていた私にはぴったりでした。

2.中小企業診断士の資格取得まで

(1)予備校に通うことにした理由

受験を決意してから、まずは試験の概要を調べました。数年分の過去問をざっと見て、どのような試験形式なのかも確認しました。

一次試験はマークシート形式で、科目が7科目あります。

【一次試験の7科目】
・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理( オペレーション・マネジメント )
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・中小企業政策

科目も暗記メインの科目から財務会計まで幅広く、これは効率よくやらないとダラダラ時間がかかってしまいそうだ、と感じました。

というわけで、一次試験については予備校を利用すべきだろう、という判断に至り、中小企業診断士試験では最大手の予備校のDVD講座に申し込みました。

(2)一次試験対策

経済学は学生時代に専攻していましたし、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営情報システムなど、かつて業務で携わったことがある領域が多かったことは、私にとって大きなアドバンテージになりました。

そのような科目については、苦手意識もなく、比較的楽しく勉強できました。

一方で、暗記科目が致命的に苦手で、経営法務と中小企業政策については苦労しました。

中小企業政策については中小企業白書の読み方を先輩診断士の方から習うことができたため、最終的には好きな科目にすることができました。

経営法務は最後まで苦手意識が払拭できずに大変な思いをしました。

経営法務については、会社法と知的財産法を重点的に押さえれば、足切り(40点未満)はおそらく回避できる、という予備校の言葉を信じ、この二つの領域を集中的に勉強しました。

結果、予備校のスケジュールに則って粛々と勉強を進めることで、1次試験は472点とかなり余裕を持った点数で合格することができました。(700点満点の60%の420点が合格ラインです)

苦手の経営法務は52点でした。

科目合格の点数である60点には届かなかったのですが、全体で合格なので結果オーライです。

(3)受験できなかった二次試験

一次試験の約二か月後には二次試験があります。一次試験の試験の後は、すぐに二次試験の勉強を開始する必要があります。

二次試験は筆記試験で4事例が出題されます。

【二次試験の4事例】
事例1:組織・人事事例
事例2:マーケティング・流通
事例3:生産・技術
事例4:財務・会計

8月初旬の一次試験後に勉強を開始しましたが、とにかく時間がありません。

なので、事例1~3については、通勤の時間を活用して過去問を読み、隙間時間を活かして勉強を進めました。

事例4は問題に慣れることが重要だと思ったので、毎日最低30分は問題を解くようにして慣れました。

休日でまとまった時間が取れる時は、予備校の自習室で過去問にじっくり取り組みました。

ところがです。

なんと仕事の都合でどうしても二次試験を受験することができなくなってしまいました。

正直かなり落ち込みましたが、一次試験に合格すると二次試験を2回受けられる、という仕組みを活かして絶対に2年目に合格すると決め、気持ちを切り替えました。

1年目の試験後は年度末までは仕事に集中する結果となり、診断士試験の勉強はほとんど手つかずになってしまいました。

学習

(4)翌年の二次試験対策

2年目の受験勉強は次の年の4月から開始しました。

二次試験の勉強は独学です。教材は過去問と、前年に大手予備校で購入していた事例4の問題集に絞りました。

事例1~3については、4月から8月までは、80分という制限時間を無視して1週間で1事例を目途にじっくり取り組みました。

特に心がけたのは、因果関係のある回答を書くという点です。

夏以降は80分の時間制限に慣れるため、時間を計りながら過去問に取り組みました。

事例4は慣れることが重要だと思ったので、過去問と問題集をミスなく解けるようになることを目標に何度も繰り返しました。とにかく継続することを意識して勉強しました。

その甲斐あって、二次試験も1回目の受験で合格できました。

得点を開示したところ、事例1から順に70点、68点、63点、68点の合計269点で合格することができました。(400点満点の60%である240点が合格ラインです)

3.中小企業診断士の資格取得後

資格取得後、以下の2点の変化を強く感じています。

(1)仕事の幅が広がった

中小企業診断士の資格を取得したことで、お客様の相談内容により幅広く、深く応じられることができるようになりました。

具体的には補助金や助成金の相談、経営革新計画の作成といった案件に応じる機会が増えました。

また、資格を持っている、ということで、お客様からも信頼してもらいやすくなったと思います。

同時に資格の名に恥じないような成果も求められることになりますが、これはとても良い緊張感になっており、取得前よりも仕事に充実して取り組むことができています。

(2)人脈が広がった

私は税理士や公認会計士、社会保険労務士等の他の士業の人と仕事で関わる機会が多いのですが、それらの士業と比べて、中小企業診断士の人は組織の枠組みを超えたコミュニティーを積極的に活かしている人が多いように感じています。

私も実務補習や実務従事で出会った方、勉強会で知り合った方、FacebookなどのSNSで知り合った方等、さまざまな方と繋がりができました。

また、独占業務がないという特徴があるせいかもしれませんが、お互いの強みを理解しあって、協力してお客様の課題に応える、という意識が強い人が多いと思います。

実際、自分自身が手伝った案件でも、会計に強い診断士、マーケティングに強い診断士、法律に強い診断士、ITに強い診断士でチームを組み、お客様にも非常に満足していただいたコンサルティングができた、という案件がありました。

4.今後について

当面は、独立は考えておらず、企業内診断士として活動をしていく予定です。

本業の中小企業の顧客支援の中で、融資や補助金、助成金の取得などの業務もあるため、中小企業診断士の資格を十分に生かすことができます。

実際、私が中小企業診断士の有資格者となったことで、これまでは社内で対応できなかった案件にも応じることができるようになりました。

同時に中小企業診断士の勉強会にも参加し、最新の知見を得たり、施策の勉強をしたり、ビジネスプランを作成したり、と、仕事外の活動も徐々に充実してきました。

プライベートでの人脈も広がりつつあります。

資格を通じて、今後の仕事とプライベートがより充実していきそうでとても楽しみです。

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