社会保険労務士=難関資格に合格したのに、年収が半分に!

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社会保険労務士=難関資格に合格したのに、年収が半分に!

ビジネスマン

社会保険労務士の資格取得を目指した経緯

大学卒業後に書籍・CD販売店を運営する会社に就職しました。新人研修終了後に店舗に配属されて、2年間店舗スタッフとして勤務し、その後、店長に昇格しました。

店長になると、アルバイト・パートスタッフの面接・採用・教育も自分の仕事になることから、労働基準法などの人事・労務関係の法律の知識が必要になってきます。

アルバイト・パートスタッフでも有給休暇を取得することができ、会社には社会保険に加入させる義務があります。そうした法律を熟知していないと、労働基準監督署・年金事務所から指導が来ることがありますし、スタッフからの訴訟に発展することもあります。

会社の研修でそうした法律について勉強しましたが、月一回程度の研修だけでは不十分と思い、自分自身で勉強するようになりました。勉強をするうちに楽しくなり、もっといろいろな知識を得たいと考えました。社会保険労務士の資格を知り、資格取得を目指すようになりました。

社会保険労務士の資格に合格するまで

社会保険労務士とは、企業における採用から退職までの人材に関する専門家です。労働社会保険手続やその書類の提出業務・労務管理の相談指導などのコンサルタント業務を行います。

厚生労働省(厚生労働大臣)により認定される国家試験で、合格率は2~9%の難関資格ですが、企業内の人事部門で活躍することができ、独立開業もできる資格です。

最初は、書店で買ったテキストで勉強していましたが、それだけでは理解できなかったので、資格の学校に通いました。費用としては、20万円程度です。しかし、雇用保険の教育訓練給付金で40%戻ってきたので、自分が負担した額は12万円程度でした。

1年の間、仕事の日は、通勤電車内や昼休みを利用して勉強し、週二日の休日のうち一日は資格の学校で6時間程度の講義を受けて、もう一日は図書館に行って8時間勉強しました。その甲斐あって、1年で一発合格できました。

社会保険労務士の資格を取得してから

その時の仕事に特に大きな不満はなく、人間関係も悪くはなかったのですが、社会保険労務士の試験に合格したので、どうしてもその資格を活かした仕事がしたいと考えて、思い切って仕事を辞めました。

29歳の男性で社会保険労務士の資格があれば、良い会社に就職できるという甘い考えを持って仕事を辞めてしまった私ですが、辞めたことを本当に後悔しました。

まず、30社程度に書類を送りましたが、書類選考で通った会社は4社のみでした。運よく面接まで行っても、面接で不採用になることが多かったです。

面接で一番印象に残っていることは、
「実務経験が3年ある人と、未経験で社会保険労務士を持っている人では、迷うことなく実務経験が3年ある人を採用するよ」
と面接官に言われたことです。

よく考えれば当たり前のことです。難関資格とはいえ1年勉強すれば取れる資格を持っている人と、実務経験が3年あり、ある程度実務を分かっている人では、実務経験のある人を採用するに決まっています。

結局、サービス残業や休日出勤が多く、退職する人が多いブラック企業と、給料がかなり安い企業の2社しか採用をいただくことができず、給料がかなり安い企業に転職しました。年収ベースで前職の半分になりました。

自分の体験をもとに資格取得に関して考えること

私の失敗談からのアドバイスとして、資格は、現在従事している業務に関連した資格を取る方がいいです。スキルアップになりますし、資格手当てをいただける会社もあります。もし、転職することになっても、実務経験にプラスして資格があることになり、かなり有利です。

「今の仕事とは違う別の事をやりたいから資格を取る」と考えている方がいるかもしれませんが、資格を取っても就職活動をかなりがんばって、かつ運とタイミングが合わないと難しいです。

運やタイミングの問題でもあるので、資格を取っても今の仕事をすぐに辞めずに、働きながら就職活動する方が無難です。仕事を辞めてから就職活動をすると、なかなか決まらず焦りが出てきて、結局、私のようにブラックの企業や前職よりかなり給料の安い企業に決めることになりかねません。

今は、司法試験に受かっても7人に1人は就職できないそうです。それだけ、資格だけで就職するのは難しいということです。

資格取得後に転職するとしても、1年以上の長い期間で就職活動するつもりで、働きながら良い企業と巡り合うまで待った方がいいと思います。