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中小企業のイノベーションの取り組み方-金属加工業ノチダのドミゴ開発の事例

中小企業のイノベーションの取り組み方-金属加工業ノチダのドミゴ開発の事例

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  2017年7月17日

domigo

中小製造業者の多くは、顧客企業の依頼に基づいて生産を行う受注生産型企業ではないでしょうか。受注生産のメリットはいろいろあります。

第一に、自社のリスクで商品企画する必要がありません。また自社リスクで生産した商品の販売先を探す必要もありません。

経営資源に制約のある中小製造業にとって、製造というコア業務に特化できる点は大きなアドバンテージといえます。

短期的な効率のよさが長期的にマイナスとなる面もあります。コア業務に特化できるということは、他の業務の経験を蓄積する機会を手放すということです。つまり商品企画や販路開拓のノウハウを持てなくなってしまうのです。

また、受注生産型の場合、顧客企業の業績や方針に自社の経営が左右されることもあります。顧客企業との力関係で無理を聞かざるを得ない場合もあります。そうした企業の中には、本業は受注生産型であっても、自社商品開発を模索する企業もあります。

ある中小の金属部品製造業も自社の技術を活かした商品開発に取り組んでいました。開発部署を設置して取り組んでいましたが、なかなか製品化には至りませんでした。

第一号の商品は、思わぬきっかけから実現しました。思わぬきっかけとは、開発担当者の小学5年生の子供の夏休みの工作です。

ドミノ倒しのドミノを一つずつ手で立てている様子をテレビで見た子供が、紐でつながっていたら一度に立たせられると考えて、五つの木片を紐でつなげたおもちゃを作りました。これを父である開発担当者が会社で提案したところ、「面白い」という話になり、商品化することになったのです。

試行錯誤の末、「DOMIGO」(ドミゴ)という商品名で商品化し、「ひっぱるとたちあがる ふしぎなつみき」というキャッチコピーでネット販売を開始しました。初めて商品が売れたのは販売開始から二か月後。その年のクリスマスシーズンにはようやくまとまった数が売れるようになりました。

会社は行政の支援のもとにドミゴシリーズの次の商品を開発しました。世界中の10種類の異なる木で作られた「DOMIGO world trees」です。ドミゴという商品に手応えを感じたことから、大人も楽しめるこだわりを加味してプレゼント需要を狙ったのです。

今年の4月からは、「DOMIGO world trees」はパリのショールームでテスト販売されています。クールジャパン商品の海外販路開拓支援施策の対象商品として採択されたのです。

この企業は金属部品製造業ですから、木製玩具は、本来は自社技術を活用した商品とは言えないかもしれません。しかし、商品生産には自社のものづくり技術を活用しているし、ドミゴの商品化や販路開拓に取り組む中で見出したニーズに対応する次の商品開発も進めています。

自社がそれまで手がけていなかった領域に取り組むことがノウハウの蓄積や次の展開につながることがある。そんな可能性を示唆してくれる好事例です。

DOMIGO
ひっぱるとたちあがる ふしぎなつみき DOMIGO

DOMIGO world trees
DOMIGO world trees
使用している木材は手前から、Hinoki(ヒノキ)、Black Cherry(ブラックチェリー)、Keyaki(ケヤキ)、Walnut(ウォールナット)、Teak(チーク)、Tamo(タモ)、Buna(ブナ)、White Oak(ホワイトオーク)、Hard Maple(ハードメープル)、Rosewood(ブビンガ)の10種類。

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知的資産とキャッシュフローの両面から、企業のビジョン実現をサポートする中小企業診断士・認定キャッシュフローコーチ® https://www.officeair.net



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