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「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」(和仁達也氏)

「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」(和仁達也氏)

投稿者
  2018年3月2日

お金のブロックパズル

「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」(和仁達也氏)は、数字に苦手意識をもつ社長向けに書かれた本です。

本書には

“社長が会社経営をする上で、決算書が読めなくても、数字に苦手意識を持っていても大丈夫です。安心してください。”

と書かれています。

なぜ、決算書が読めなくても大丈夫といえるのでしょうか?

わかりやすく解説します。

会社のお金の流れは図式化するとよくわかる

世の中には二種類の人がいます。
会計とか財務に強い人と、強くない人です・・・。

「会計とか財務」と一括りにまとめてしまいましたが
・会計とは、お金の出入りを記録し、管理すること。
・財務とは、事業活動に必要なお金を資金調達すること。
という違いがあります。

ここでは細かいことは気にせずに「会社のお金の流れ」と一まとめに考えてみましょう。

あなたは
「会社のお金の流れを把握できていますか?
 把握しきれていませんか?」

この問いに自信をもって「できている」と答えられる人はそう多くはありません。
だけど、不安に思う必要はありません。

決算書が読めなくても、経営判断に必要な「会社のお金の流れを把握」する方法があります。
その方法とは、会社のお金の流れを図式化するという方法です。

図式化するには、ある程度、単純化する必要があります。
実はそこがポイントなのです。

単純化することで、会計の細かな部分、枝葉末節に過度にとらわれることなく、会社のお金の流れを大局的に把握しやすくなります。

この会社のお金の流れを把握するための図のことを「お金のブロックパズル」といいます。

この「お金のブロックパズル」の考え方と活用方法を詳しく説明している本が

「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ ― 社長はこの図を描くだけでいい! 」(和仁達也氏著)です。

超★ドンブリ経営のすすめ

ドンブリ経営とは?

本書のタイトルを目にして、
「えっ?ドンブリ経営をススメるの?!」とびっくりされた方もおられるかもしれません。

(実は私の知り合いの社長もそんな反応でした)

まずは一般的な「どんぶり経営」の意味を確認しておきます。

「どんぶり経営」とは「どんぶり勘定」で資金管理をしている経営のことを言います。

「どんぶり」というのは、昔の職人さんの仕事着のお腹あたりについていた、大きなポケットのことだそうです。

昔の職人さんたちは、お金を受け取れば、無造作にその「どんぶり」に入れ、お金を払うときはその「どんぶり」から払い、特に収支計算はしていなかったそうです。

そんな使い方をしていると、払おうと思って、「どんぶり」に手を入れてみて、
「あれっ?お金がない!」というようなこともあったでしょうね。

昔の職人さんのように、収支計算や、収入・支出の内訳管理をせずに、あるにまかせて無計画にお金を使うことを「どんぶり勘定」といいます

現在は、職人さんの「どんぶり」を見かけることもなく、どんなものだったのかすぐにはイメージできないですよね。

それにも関わらず、「どんぶり勘定」という言葉が今でも通用しているのは、「どんぶり勘定」という言葉が、親子丼やカツ丼などの、いわゆる丼物のイメージとなんとなく合うからかもしれないですね。

親子丼やカツ丼などの丼物は、ごはんとおかずが同じお鉢に盛られていて、中で区分けはされていませんからね。

さて、一般的な「どんぶり経営」とは、「どんぶり勘定」でお金を管理している経営のことです。

このような経営をしていると、昔の職人さんみたいに
「あれっ?お金がない!」という事態の発生リスクが高いです。

しかも改善しようとしても、どこで儲かっているか、どこで損をしているかもわからないので、改善のしようもありません。

「どんぶり経営」の会社では、お金の流れが正確に掴めないので、的確な経営判断ができないということになります。

では、なぜ本書では「どんぶり経営」を勧めるのでしょうか?!

ツボを押さえた「ドンブリ」になれ!

その疑問の答えは前書きにありました。

この本の前書きから一部引用します。

“ドンブリ経営というと、言葉としては「ずさんな経営」「いいかげんな経営」というニュアンスがあるので、「一般論としては「よくない」と言われがちです。

ですから、これまでドンブリ経営のまま、何の問題も感じていなかった社長の中にも、
「決算書くらいは読めるようにならないといけないかな……」
「本当はもう少し数字に強くなりたい……」
なんて思っている人は少なくないと思います。

「売上は上がり調子なのに、なぜ預金残高はこんなに少ないんだ?」
「銀行に借入を申し入れたら、余計に1,000万円かしてくれると言っているが、本当に借り手もいいのだろうか?」
「業績が厳しい今、新しいスタッフを入れて大丈夫だろうか?
 またそれは正社員でとるべきか、パートにすべきか?」

みなさんも、こんな不安が頭をよぎることがあるのではないでしょうか?”

ああ、安心しました。
ただの「どんぶり経営」を勧めているわけではなかったのですね。(当たり前ですね)

著者の和仁達也氏は続けて、こう説明します。

“社長が会社を経営する上で、決算書が読めなくても、数字に苦手意識を持っていても大丈夫です。なぜなら、
「決算書や数字が正確に読めること」と「正しい経営判断ができること」は別の能力だからです。”

そうなのです。社長が一生懸命、決算書を勉強しても、それだけで正しい経営判断ができるとは限りません。

また、経営全般に気を配り、広い視野で物事を見るべき社長が、決算書の勉強に埋没してしまうことは、経営者の仕事の時間配分として、不適切ということもありそうです。

パソコン

そうしたことに加えて、著者はもう一つポイントを上げています。

“少しばかり数字に強くなって決算書が読めるようになったとしても、会社の中をお金がどう流れているのか、その全体像をとらえることは簡単ではありません。”

として、

むしろ正確さや細部にとらわれてしまって、肝心の幹(会社のお金の流れの全体像)が見えなくなってしまう

ことの弊害を指摘しています。

これが先ほどの、図式化できるように単純化した方が大局的な把握ができるということの意味です。

細かい会計のルールに過度にとらわれることなく、図式化して、会社のお金の流れの全体像を大局的に把握し、適確な経営判断を行う経営が本書の目指すところなのです。

“本書では、ただのドンブリを超えて、「経営判断に必要なツボを押さえたドンブリ」を目指します。私はこれを、「超★ドンブリ経営」と名付けました。”

なお、前書きに続く「プロローグ」では、

“本書でわたしが「超★ドンブリ経営」と呼んでいるものの正体、実はそれは、みなさんも聞いたことがある、「キャッシュフロー経営」なのです。”

という種明かしがされています。

そして、キャッシュフロー経営の本質を
お金の流れの全体を見て、適正な収支構造を保ちながら進める経営
と説明しています。

本書におけるキャッシュフロー経営の定義は下記の通りです。

キャッシュフロー経営 3つの定義

1.お金の目的別に色をつける
2.お金の入りと出のバランスを考える
3、逆算思考で目標を決める”

「お金に色をつける」というのは、たとえば「支出」と一括りにしていたものを変動費、固定費などに分けることで、どこに問題があるのかを判断できるようにするということです。

「お金の入りと出のバランスを考える」とは、たとえば、粗利からどの程度を人件費に配分するかなどを考えるということです。

「逆算思考で目標を決める」とは、売上から費用を引いて、結果的にいくら残ったかがわかる経営ではなく、必要な利益から逆算して、必要な売上目標を考えるということです。

「お金に色をつける」ことで、問題の切り分けができるようになる。
「お金の入りと出のバランスを考える」ことで適正な費用配分ができるようになる。
「逆算思考で目標を決める」ことで計画的な経営ができるようになる。

会社のお金の流れを大局的に捉えることで、経営の品質が向上するということですね。

「超★ドンブリ経営」で得られるメリット

ここまでで、「経営判断に必要なツボを押さえたドンブリ」という経営スタイル(つまりキャッシュフロー経営)がなぜ有効なのかについて見てきました。

ところで、社長の役割とは何でしょうか?

社長の役割について、著者の和仁達也氏は次のように説明しています。

社長の最大の役割は、ビジョンを実現すること、つまり、夢を形にすることだと思います。

夢を具体的に描いて、それに向けて人やお金、商品などを動かしていくのが社長の役割です。

ビジョンを実現するには、まず
「自社のお金の流れはどうなっているのか?」
「利益はどこに消えてしまっているのか?」といった、会社のお金と儲けの構造を知ること、そして、数字に対する判断基準を持つことが必要です。”

経営ビジョンを明確に描き、社内に浸透させること
経営ビジョンの実現のために、数字に対する判断基準を持つこと
が社長の役割ということです。

そして、本書に書かれたことを習得すれば、以下が可能になると説明しています。

“1.今の自分(自社)の立ち位置がわかり、会社の利益を食いつぶすような過剰な借金や、粗利を生まない無駄な人件費の使い方など、会社を倒産に追い込む原因をあらかじめ排除できる。

2.社員にも会社のお金の流れをわかりやすく理解させることができ、社長の危機感を会社全体で共有できる。

3.ビジョンを実現するためにお金がいくら必要なのか、またお金をどう稼ぎどう使えばいいかがわかり、意欲が湧き、ビジョン実現スピードが加速する。”

つまり「経営判断に必要なツボを押さえたドンブリ」が必要な理由は、経営ビジョンを実現するためなのですね。

会社のお金の流れについては、大局的にシンプルに把握することで、的確な経営判断と、稼ぐ活動への集中を両立させる経営スタイルが「経営判断に必要なツボを押さえたドンブリ」ということなのでしょう。

ビジョン実現スピードが加速化する

「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」内容紹介

「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」の目次を以下に引用します。

目次
はじめに  ツボを押さえたドンブリになれ!
プロローグ 決算書なんて読めなくていいんです!
第1章 たった一枚の図でお金の流れのすべてがわかる!
第2章 この3つのモノサシがあれば、利益倍増も夢じゃない!
第3章 10分でできる!あと100万円利益が残る売上目標の立て方
第4章 5%の値上げで利益は何倍?儲けの仕組みがわかる5つのクイズ
第5章 会社の実態は図で考えればよくわかる!
第6章 社長と社員の危機感のズレを埋めて夢に向かって走り出すには?
エピローグ ビジョンの実現に向けて踏み出そう

各章は、ランクAからランクCまでの3段階でランク分けがされています。

・ランクA 気軽に読もう   :プロローグ、第3章
・ランクB 少し集中して読もう:第1章、第2章、第5章
・ランクC 全力で読もう   :第4章、第6章

私は、著者の和仁達也先生が
「人に何か話をする前には、まず聞く姿勢を作ってもらってから話すんだよ」
「相手にも準備をしてもらうことが必要なんだよ」

と言われるのをお聞きしているので、このランク分けも、聞く姿勢を作ってもらうための工夫なんだろうなと感じました。

第1章では「お金のブロックパズル」の基本的な構造を説明しています。
第2章では、粗利率、労働分配率、債務償還年数の3つのモノサシを説明しています。

(本書は「わかりやすさ」優先というコンセプトで書かれているので、「債務償還年数」という言葉は使わず、「何年で返済できるか」という言い方で説明しています)

第3章では、逆算思考での売上目標の立て方の考え方を説明しています。
第4章には、第1章から第3章までの知識を経営判断に活用する方法がクイズ形式で説明されています。

例題にトライしてみることで、お金の流れの全体像を大局的に把握することが的確な意思決定につながることがよりイメージしやすくなるでしょう。

第5章では、決算書のサンプルが提示され、数字の羅列からは読み取りにくいことも、図式化することで理解できるようになることが事例として説明されています。

第6章では、「お金のブロックパズル」を活用して、社長と社員の危機意識のズレを縮め、ビジョン実現に向けての行動を促進する具体的な方法が説明されています。

・ランクA「気軽に読もう」のプロローグ、第3章が考え方の説明。
・ランクB「少し集中して読もう」の第1章、第2章が知識編。第5章が事例。
・ランクC「全力で読もう」の第4章と第6章が知識の活用方法、実践編といった感じです。

ランクC「全力で読もう」が第4章、第6章ということからも、本書が「ビジョン実現のためにキャッシュフロー経営を実践する」ことを重視したスタンスで書かれていることが読み取れます。

本文は、社長と和仁先生らしき経営コンサルタント(イラストが和仁先生に似ているのです)との会話形式とすることで、読みやすく工夫されています。

(なお、本書では「お金のブロックパズル」という言葉は使われていませんが、単に「会社のお金の流れの図」というよりも、名前がある方が説明しやすいことから、「お金のブロックパズル」という言葉を使わせていただいています)

超★ドンブリ経営のすすめ

著者の和仁達也氏紹介

著者の和仁達也先生は、名古屋在住の経営コンサルタントです。

27歳でコンサルティング会社を辞めて独立され、経営コンサルタントをされている他、経営コンサルタントの育成もされています。

経営コンサルタントの育成としては、キャッシュフローコーチを養成する、キャッシュフローコーチ養成塾を主宰されています。

私もキャッシュフローコーチ養成塾の卒業生ですが、和仁先生はいつも明るく笑顔で、かつ、常に視点が明確でシャープな方です。今も研修会に参加するなど、継続して学ばせていただいています。

キャッシュフローコーチの役割は、経営ビジョンの言語化や、社長の会社のお金の流れの把握を助け、社長が納得の意思決定ができるように支援することです。

「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」に書かれた内容を社長が実行するときのサポート役と言えるでしょう。

キャッシュフローコーチ養成塾を卒業した、認定キャッシュフローコーチ®は、和仁達也先生が代表理事を務める、日本キャッシュフローコーチ協会に所属しています。

和仁達也氏 著書紹介

・「キャッシュフロー経営って?-ドクターをお金の悩みから解放する」(2003年7月)
・「夢現力-あなたの中の無限の可能性を引き出し、夢をかなえる5つの力」(2004年5月)
・「脱★ドンブリ経営」(2005年7月)
・「お金に好かれる人嫌われる人 稼ぐ貯める増やす」(2010年9月)
・「世界一受けたいお金の授業:一生お金に困らない『稼ぐ、使う、貯める』技術」
 (2013年11月)
・「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ
 -社長はこの図を描くだけでいい! 」(2013年12月)
・「逆ザヤ社員が稼げる社員に変わる法」(2015年12月)

・「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」(2014年8月)
・「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術」(2015年8月)
・「年間報酬3000万円超えが10年続く コンサルタントの経営数字の教科書」
 (2017年9月)

※なお、「お金のブロックパズル」についての詳しい説明については以下の記事をご参照ください。

投稿者

この記事を書いた人

知的資産とキャッシュフローの両面から、企業のビジョン実現をサポートする中小企業診断士・認定キャッシュフローコーチ® https://www.officeair.net



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