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お客様の不満、不安、不快、不便を解消する-町の電器屋さんの事例

お客様の不満、不安、不快、不便を解消する-町の電器屋さんの事例

投稿者
  2017年6月19日

太陽光

事業機会の見つけ方にはいろいろあります。未利用資源の活用、技術革新の活用、規制緩和による環境変化への対応、既存事業者の弱みへの着目、現状への顧客の不満への着目などです。

なかでも、顧客の不満への着目は、有効な事業機会の発見方法です。

「不」に着目するという方法です。お客様の不満、不安、不快、不便を解消することが事業機会につながります。

ある町の電器屋さんの話です。

この電器屋さんは「住まいの110番」というキャッチコピーでリフォーム事業も手がけていたものの、他の町の電器屋さん同様、家電量販店に押され、生き残りの道を模索していました。

あるとき、月に一度の顧客向けのイベントの開催後に、来場者アンケートに目を通していた社長は、一枚のアンケート用紙に目を留めました。そこにはこんな言葉が記されていました。

「うちには暗い部屋があり、天気のよい昼間でも電気を点けないといけないので憂鬱です。なんとかなりませんか」

さて、少し考えてみてください。この言葉をアンケート用紙に見つけたときに自分だったらどうするか。多くの人が「それはどうしようもないことではないか」と考えて見過ごしてしまうのではないでしょうか。

この社長は違っていました。

「確かにそうだ。部屋の中は暗くても、屋根の上には太陽の光がある。太陽の光を照明に使えないか」

そう考えた社長は、アルミで軽い筒を作り、内側を鏡面加工にすることで、太陽の光を室内に引き込むことを考えました。

事はもちろん簡単ではありませんでした。第一の関門は、室内まで太陽光を引き入れることのできる、反射率の高い素材探しです。

まずは、国内で素材探しを行いましたが、見つけることができず、オーストラリアの会社に同じ考え方の製品があることを知り、日本の総代理店契約を締結します。

ところが、事業立ち上げ後、第二、第三の問題が発生しました。平屋の多いオーストラリアとは異なり、日本では二階建て以上の家が多く、日本独自での施工技術開発が必要となりました。また、種類の多い、日本の屋根材に対応するための周辺部材の開発も必要になりました。

こうした問題に一つ一つ取り組み、製品化の問題を解決していったのです。

この製品の名前を「スカイライトチューブ」といいます。2017年現在、事業化から、すでに13年が経過し、全国での施工実績は7千件に達しています。

事業立ち上げ当初は、住宅用としてスタートしたが、現在では、大手企業の工場や倉庫にも設置されるようになりました。

小学校の理科の教科書にも太陽光の利用の一例として紹介されました。掲載された写真は、事業化のきっかけをくれた、アンケート記入のお客様の自宅でした。

見過ごされがちなお客様の不満の声。そこには新しい事業機会が隠れているのです。

スカイライトチューブ
スカイライトチューブが設置された倉庫

スカイライトチューブ
家庭でのスカイライトチューブ設置例

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知的資産とキャッシュフローの両面から、企業のビジョン実現をサポートする中小企業診断士・認定キャッシュフローコーチ® https://www.officeair.net



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