キャッシュフローコーチとは、聞きなれない言葉かもしれません。
キャッシュフローコーチとはどんな仕事をする人なのか、日本キャッシュフローコーチ協会とはどんな活動をしている会なのか、わかりやすく解説します。
Contents
1.キャッシュフローコーチとは
(1) キャッシュフローコーチの命名者は
「キャッシュフローコーチ」とは何でしょうか。
キャッシュフローコーチは、経営コンサルタントの和仁達也氏による【キャッシュフロー+コーチ】の造語です。
キャッシュフローとは、会社のお金の流れのことです。コーチは、クライアントに関わることで、クライアントの成果を引き出し、クライアントの目標達成を支援する仕事です。
つまり、キャッシュフローコーチとは、社外の経営幹部として、経営数字を使って、本業の発展に貢献する職業を言います。
経営数字を扱うので、社外経営幹部の中でも、社外CFOの役割を果たすと言ってもいいかもしれません。CFOとは、財務の最高責任者のことです。チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(Chief Financial Officer)の略語です。
キャッシュフローコーチという言葉には、「キャッシュフローの改善をする財務コンサルタント」のような印象があるかもしれません。実際には、キャッシュフロー改善は、キャッシュフローコーチの役割の一つでしかありません。
その理由は、企業において、キャッシュフローは目的ではなく、手段であるからです。経営者にはやりたいことがあります。つまり経営ビジョンです。
そのやりたいことを実現するためには、キャッシュが枯渇することなく、まわり続ける必要があります。だから、キャッシュフローを重視すべきだというのが、キャッシュフローコーチの考え方です。
キャッシュフローありきではありません。あくまでも、経営ビジョンありきです。
ということは、キャッシュフローだけに関わっていたのでは片手落ちです。まずは、経営者の頭の中にある経営ビジョンを明確化し、社員にも伝えられるように言語化する必要があります。
(2) ビジョナリープランとは
そこで、キャッシュフローコーチがまず取り組むことは、ビジョンの明確化と言語化の支援です。ミッション、ビジョン、カンパニースピリッツ、セルフイメージが一体となった全体プランのことをビジョナリープランと言います。
企業のビジョナリープランを明確化、言語化した上で、そのビジョン実現のために何をすべきかを経営者といっしょに考えます。
そのときに、その具体策の1つ1つの判断に数字が関わってきます。たとえば、何人採用するのか、いくら給料を支払うのか、いくらまで設備投資にお金を使うのか、いくらまで借入するのかなどです。
そこで、そうした経営判断を経営数字で裏づけすることで、実行を後押しすること。これもキャッシュフローコーチの重要な役割です。
経営者のやりたいこと、経営ビジョンの実現を第一に考えるということから、キャッシュフローコーチは、答えを教える「先生」ではありません。
経営者のやりたいことやお困りごとについて、隣に並んで、一緒に考えるパートナー型コンサルタントというスタンスでクライアントと関わります。
2.日本キャッシュフローコーチ協会とは
(1) 日本キャッシュフローコーチ協会とは
前述の通り、キャッシュフローコーチは、経営コンサルタントの和仁達也氏が創始した職業です。
日本キャッシュフローコーチ協会は、和仁達也氏が主宰する、キャッシュフローコーチのコミュニティです。2019年1月末時点で、470人のキャッシュフローコーチが日本キャッシュフローコーチ協会に所属しています。
内訳としては、約半数が税理士、会計士です。他には、中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士、ファイナンシャルプランナー、マーケティングコンサルタント、企業再生の専門家、元銀行員など、さまざまなキャッシュフローコーチが所属しています。
キャッシュフローコーチ同士の交流も盛んです。年に4回の全体の強化研修会の他、各地域勉強会があり、ノウハウの共有を行いながら、お互いのスキルアップに取り組んでいます。
地域勉強会は、東北、上信越地、千葉、横浜、品川、名古屋、京都、阪神、広島、福岡の各地区で、会員によって自主的に運営されています。
(2) キャッシュフローコーチ養成塾とは
前述の通り、キャッシュフローコーチのバックグラウンドは、税理士、会計士、中小企業診断士などさまざまです。ただ1つだけ共通点があります。
それは、全員がキャッシュフローコーチ養成塾の修了生ということです。
キャッシュフローコーチ養成塾とは、キャッシュフローコーチという職業のあり方とやり方を教える、6か月間の塾です。
東京、大阪の講座は、主宰者の和仁達也氏が直接、教える講座です。
他の地区(新潟、大宮、横浜、名古屋、京都、神戸、高松、広島、福岡)の講座は、修了生がファシリテーターとなって教えるファシリテーター講座です。
和仁達也氏は、月一回訪問の月額顧問料が30万円、30分の電話コンサルが25,000円というトップクラスの経営コンサルタントです。
塾生は、和仁達也氏が27歳で独立して以来、21年間実践して成果を上げてきた、体系的なメソッドを6か月間しっかり学んで、キャッシュフローコーチとなります。
(3) キャッシュフローコーチのMVPコンテストとは
日本キャッシュフローコーチ協会では、年4回の強化研修会の他、各種のプロジェクトが運営されています。そのプロジェクトの一つにMVPコンテストがあります。
MVPコンテストは、会員だけでなく、外部の人も参加できる、日本キャッシュフローコーチ協会にとって、年に一度の一大イベントです。
イベント内容は、大きな成果を上げた、6人のキャッシュフローコーチが自身の成果についてプレゼンし、来場者が投票で、6人の中からMVPを選出するというものです。
2018年のMVPコンテストには、税理士、中小企業診断士、社会保険労務士、社内の経理責任者などさまざまなバックグラウンドの6人のキャッシュフローコーチがそれぞれの成果をプレゼンしました。
会場は、東京の後楽園ホール、プレゼンターがプレゼンする場所は、なんとリングの上です。
プレゼンの中には、キャッシュフローコーチのメソッドを使って、年間の利益を1億円向上させることができたという成果事例もありました。
以下は、このMVPコンテストを観覧した外部のゲストからお聞きした感想の一部です。
「プレゼンは皆さんの意気込みや熱意がすごく感じられて、どれも素晴らしかったです。
元気をもらえるいいイベントでした。」
「非日常感をビシビシ感じました。リングに立ってプレゼンするプレゼンターも人生初体験でしょうが、リングならではの伝えるパフォーマンスなど、ひたすら「ほぇー」って感じでした。伝える側も聴く側も一体になれる場作りなどは特に勉強になるところです。
まさか初の後楽園ホールがこのような格闘技の観覧になろうとは。久しぶりになんか異物混入感のある日でした。」
意気込み、熱意、元気、非日常感、一体になれる場作り…などの感想から、MVPコンテストの雰囲気を感じていただけるのではないでしょうか。
(内山崇行さん、あべき光司さんともに2018年のMVPコンテストの登壇者です。投票の結果、選ばれた、2018年のチャンピオンは、あべき光司さんでした)
3.キャッシュフローコーチの評判は
では、このような仕事をしている「キャッシュフローコーチ」は、クライアントからどのように見られているのでしょうか?
キャッシュフローコーチは、経営コンサルタントの和仁達也氏が創始し、和仁達也氏から伝授された考え方とメソッドで仕事をする人です。なので、和仁達也氏がクライアントから、何と言われているかが、その一つの答えとなるでしょう。
それは、「やりたいことを言うと形にしてくれる人」です。
キャッシュフローコーチが、答えを教えるコンサルタントではない点については、前述の通りです。
そうではなく、経営者の頭の中にある「やりたいこと」の明確化、言語化を手助けし、数字で裏づけすることで実行を後押しし、結果的に本業の発展に貢献するのがキャッシュフローコーチの仕事です。
和仁達也氏によると、キャッシュフローコーチのような、パートナー型コンサルティングと相性のよい経営者と、相性の良くない経営者がいるのだそうです。
そして、相性のよい経営者とは、以下のような人だそうです。
1.向上心が強い経営者。
2.自ら元を取ろうとする能動性がある経営者。
3.得意なことと苦手なことが明確で、苦手なことは人に任せる経営者。
(かつ、その相手に敬意を払える経営者)(経営コンサルタントの和仁達也氏の言葉から引用)
このような経営者とキャッシュフローコーチが仕事をした時には、キャッシュフローコーチはその本領を最大限に発揮できると言えるでしょう。
4.第3回MVPコンテスト動画
2018年11月26日に開催された、第3回MVPコンテストのダイジェスト動画です。
第4回MVPコンテストは、2019年11月25日(月)に東京の後楽園ホールにて開催予定です。
なお、和仁達也氏のメソッドの一部は、著書でも公開されています。和仁達也氏の著書について紹介した、以下の記事も合わせてご参照ください。