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知的資産経営を成果につなげるための6つのポイントとは

知的資産経営を成果につなげるための6つのポイントとは

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  2018年2月10日

成果

自社の独自の強みが何であるか把握していますか?

自社の独自の強みに着目して業績向上を図る経営手法があります。知的資産経営と言います。知的資産経営では、自社の独自の強みと取り組みについて記載した知的資産経営報告書を作成します。

知的資産経営を成果につなげるためにはどのような取り組み方をする必要があるのでしょうか。知的資産経営報告書の作成と、知的資産経営の実践の2つの側面から説明します。

1.知的資産経営報告書の作成におけるポイント

知的資産経営報告書にはさまざまな活用方法があります。

知的資産経営報告書にはさまざまな活用方法がありますので、作成目的も企業ごとにそれぞれ違います。

知的資産経営報告書の作成時の標準的な進め方は下記の通りですが、目的が達成できるように、目的に応じた取り組み方が必要です。

1.知的資産の洗い出しと価値活用ストーリーの作成
2.業務プロセス分析
3.将来の不確実性(事業機会とリスク)の評価
4.今後の方向性の検討と将来の価値創造プロセス作成
5.アクションプラン作成とKPI設定

ただし、どんな目的の場合でも共通のポイントが3つあります。それは

(1)価値につながる他社との違いに焦点を当てること
(2)報告書全体を一貫性のあるストーリーとして示すこと
(3)適切な評価指標(KPI)を設定すること

の3点です。

(1)価値につながる他社との違いに焦点を当てる

価値につながる他社との違いは、知的資産経営の本質です。

他社と横並びではない、自社ならではの価値を提供することが競争優位の源泉となり、お客様から選ばれることにつながります。

(2)報告書全体を一貫性のあるストーリーとして示す

報告書全体を一貫性のあるストーリーとして示す理由は、一貫性を担保するとともに、自社の価値を理解されやすく伝わりやすくするためです。

「知的資産経営報告書」は大きく分けて、2種類の使い方をします。1つ目の使い方は、対外的な情報発信です。2つ目の使い方は、社内での情報共有です。

どちらの場合でも、報告書の全体が一貫性のあるストーリーとして示されることで初めて、読み手に理解されやすく、記憶に残りやすくなります。

(3)適切な評価指標(KPI)を設定する

評価指標(KPI)の設定の理由は、アクションプラン(実行計画)を実践し、将来の価値創造を実現するためです。

将来の価値創造プロセスで示した経営ビジョンをどのように実現するかについて、ビジョン実現に至る道筋を具体的な行動に落とし込んだアクションプランを作成します。

具体的な行動目標(KPI)と行動手順を設定することで、社員の皆さんが、自分たちが目指すビジョンの実現に向かって行動できるようになります。

特に「知的資産経営報告書」を経営戦略・事業計画として活用する場合はKGIの達成につながるKPIを設定し、財務情報との紐づけをすることが重要なポイントになります。

なお、経済産業省が「知的資産経営の開示ガイドライン」を策定しています。主なポイントを列挙すると

・経営者から見た経営の全体像をストーリーとして示す。
・将来的な価値創造に焦点を当てる。
・将来の不確実性(事業機会とリスク)を評価し、その対応策を説明する。
・財務情報との矛盾はないものとする。
・ストーリーのポイントとなる箇所では重要な指標(KPI)を示す。

などになります。

2.知的資産の実践におけるポイント

知的資産経営報告書は作成して終わりではありません。実践して初めて業績向上が実現できるものです。

・価値活用ストーリーで明らかにした自社の価値を情報発信していくこと。
・将来の価値創造プロセスで明らかにしたビジョンの実現に向けて、経営品質を向上させていくこと。

その両方に取り組むことで業績向上を実現していきます。

そういう意味では、知的資産経営報告書作成はゴールではなくスタートです。

伝えるツール、マネジメントツール(経営戦略・事業計画)として継続的に活用することで初めて成果を発揮します。

知的資産経営の実践で、成果を発揮するためには3つのことが必要です。

(1)経営者が本気で取り組むこと
(2)社員とともに会社全体で取り組むこと
(3)継続して取り組むこと

の3点です。

日本電産の永守社長が「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の3点を標榜されているとのことですが、知的資産経営も同じです。

ただ、知的資産経営に限らない話ですが、会社にとって重要な課題は、重要ではあるけれど、緊急ではないことも多いです。たとえば、教育して人材の質を上げる、マニュアルを整備して、誰でも仕事できる仕組みを整えるなどです。

そうした課題は、今日すぐしなくても、今日も明日も別に困るわけではありません。

ですけれども、今日や明日すぐに困りはしなくても、今、着手するかしないかで、5年先、10年先の会社は確実に変わってきます。

日々の急ぎの業務にただ取り組むのではなく、緊急ではないけれども、真に重要な課題に取り組む方が後々、大きな成果につながることがあります。

逆に言うと、緊急ではないけれど、重要な課題に取り組むことをしないと、会社が大きく変わらないとも言えます。

そのためには、本気で取り組む、会社全体で取り組む、継続して取り組むといった取り組みが必要ですが、逆に、この3つを実践しようと思うと、知的資産経営報告書作成時に

・経営者の方自身が本気で「取り組みたい」、「取り組まなければ」と思える内容にすること。
・社員の方といっしょに検討することで、社内の共通認識を作り、合意形成していくこと。

の2点が必要とも言えます。

また、取り組みの継続を習慣化することも大事なポイントです。

たとえば毎月一度、取り組みの進捗状況を必ずふり返り、できた点、できなかった点を検証する。これを続けるだけでも必ず結果は変わってきます。

月一回、自社の状況をふり返る“クオリティタイム”を確保することは重要です。

知的資産経営を成果につなげるための6つのポイント

< 知的資産経営報告書の作成 >
1.価値につながる他社との違いに焦点を当てる。
2.報告書全体を一貫性のあるストーリーとして示す。
3.適切な評価指標(KPI)を設定する。

< 知的資産経営の実践 >
4.経営者が本気で取り組む。
5.社員とともに会社全体で取り組む。
6.継続して取り組む。

※なお、知的資産経営報告書の活用方法や、価値活用ストーリーの詳しい説明については以下の記事をご参照ください。

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この記事を書いた人

キャッシュフローコーチ®。経営数字と理念の専門家として、経営数字の見える化による意志決定支援と、社員が自律的に動き、成果が生まれるしくみ作りに取り組んでいる。 https://www.officeair.net



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