Contents
1.「コンサルタントの経営数字の教科書」とは
「コンサルタントの経営数字の教科書」は、一般社団法人日本キャッシュフローコーチ協会代表理事の和仁達也氏の13冊目の著書です。
内容はタイトル通り、コンサルタント向けの「経営数字の教科書」です。日本キャッシュフローコーチ協会では、実際にこの本をテキストとして、勉強することも行っています。
和仁先生の考え方で、ユニークと感じることは、本の趣旨としてはコンサルタント向けの「教科書」でありながら、この本をクライアントにも読んでもらって、本の内容を理解してもらった上で共感してくれるクライアントのビジョン実現を支援しようというところです。
その考え方の背景としては、和仁先生が「先生型コンサルティング」ではなく、「パートナー型コンサルティング」を実践し、かつ、協会会員にも奨励されているということがあります。
2.「パートナー型コンサルティング」とは
「パートナー型コンサルティング」とは聞きなれない言葉かもしれません。「パートナー型コンサルティング」は「先生型コンサルティング」とはどのように違うのでしょうか。
「先生型コンサルティング」では、コンサルタントは、クライアントの知らないことを教える人、情報や知識を与える人です。コンサルタントの一般的なイメージとしては、こちらが主流なのではないでしょうか。
「パートナー型コンサルティング」では、コンサルタントは、教える人ではなく、クライアントが自ら考えるための着眼点を投げかけることで、クライアントの考えを引き出す人です。クライアントの考えを引き出し、クライアントのビジョン実現に向かって、伴走支援する人です。
実際に、和仁先生が長期契約のクライアントでされているコンサルティングでは、クライアントが自分自身でもできるように和仁先生が使われているコーチングの型(ビジョナリーコーチングと言います)を教えた上で、コンサルティングを実施されているそうです。
では、すでにコーチングの型を知っており、自分一人でも実施可能なクライアントがコンサルティングを受けるメリットはどこにあるのでしょうか。
そのメリットは2点あるそうです。
ビジョナリーコーチングでクライアントが得るメリット
1.思考の深さ
着眼点を投げかけてもらうことで、自分一人で考えるよりも深く掘り下げて考えることができる。
2.思考の広がり
着眼点を投げかけてもらうことで、自分一人では気づけないような視点が得られ、より多面的に考えることができる。(違う角度から考えることができる。違う解に気づける。見落としを防げるなど)
私自身、経営相談対応していて、「何かアイデアはありませんか?」という問いかけをされ、「アイデア」という言葉に違和感を覚えることがあります。
それはきっと、「アイデア」という言葉に「提案してください」という、クライアントの受け身な姿勢を感じるからではないかと自分自身を分析しています。
(もちろん具体的なやり方がわからないクライアントにやり方を説明することはありますし、クライアントのアイデア出しを支援することもあります)
そういう意味では、クライアントとコンサルタントの役割分担や、具体的なコンサルティング内容について、双方が理解し、納得してコンサルティングを進めることは、コンサルティングが成果を上げるために重要なことと言えるでしょう。
クライアントの役割とコンサルタントの役割
・クライアントの役割 :自ら考え、主体的に決定する。
・コンサルタントの役割:
・クライアントの考えを引き出すために着眼点を投げかける。
・見落としを防ぐために選択肢を提示する。
3.なぜ「パートナー型コンサルティング」に経営数字が必要なのか
では、なぜ、「パートナー型コンサルティング」に経営数字が必要なのでしょうか。
経営者はそもそも本業の事業の専門家です。本業でやりたいことが具体的にある方が多いですし、将来なりたいイメージもある程度、お持ちのことが多いです。
しかし、経営者は経営数字の専門家ではありません。ご自分のやりたいことを数字として明確にすることが苦手なことが多いです。
たとえば、多くの経営者ががんばった社員にはしっかり報いたい、ボーナスもしっかり出してあげたいと考えています。しかし、ほとんどの社長は「がんばったら、いくらのボーナスを出す」という、はっきりとした数字を出すことができずにいます。
そういったところに、経営数字の専門家であるキャッシュフローコーチが支援できることがあります。経営数字の専門家として、経営者のやりたいことと数字をしっかり紐づけることです。
経営にはお金がつきものです。そして、会社のお金には限りがあります。
経営数字の専門家であるキャッシュフローコーチが提供するコンサルティングは、一言でいうと、ビジョン実現に向けての「経営全体の最適化支援」なのです。
4.「ドンブリ経営の5つのレベル」とは
では、「パートナー型コンサルティング」を行うキャッシュフローコーチが役に立てる企業はどのような企業なのでしょうか。
それは一言でいうと、経営者が「会社のお金の流れが漠然としていることに不安を感じている」企業です。「ドンブリ経営」の企業と言ってもいいでしょう。
ただし、一般に「ドンブリ経営」というと、経営管理をロクに行っていない、いい加減な経営のイメージがあります。ここでいう「ドンブリ経営」はもう少し範囲が広く、経営管理についてはしっかり行っている会社を含めて考えます。
ドンブリ経営の5つのレベル
レベル 社長の不安内容 レベル1 基礎知識を知らない レベル2 自社の現状の収支情報を知らない レベル3 自社の未来の収支情報を知らない レベル4 お金の使い方の基準や根拠を知らない レベル5 やりたいこととお金のリンクづけができていない
(出典:「コンサルタントの経営数字の教科書」)
一般にいうところの「ドンブリ経営」は、「ドンブリ経営の5つのレベル」のレベル1、レベル2ではないでしょうか。
レベル3は、試算表は毎月確認しているが、資金繰り表は作成していないというレベルです。レベル4、5になると、試算表や資金繰り表は毎月、確認しています。ただし、経営ビジョンとお金が明確に紐づいておらず、お金の使い方の基準がまだまだ不明確です。
こうした企業の経営ビジョンの明確化と数字との紐づけや、お金の使い方の基準の明確化支援も、経営数字の専門家であるキャッシュフローコーチの役割の一つなのです。
一般社団法人日本キャッシュフローコーチ協会代表理事 和仁達也先生
5.「コンサルタントの経営数字の教科書」概要
書籍名:「年間報酬3000万円超えが10年続く コンサルタントの経営数字の教科書」
発行日:2017年9月11日
著者名:和仁達也
出版社:かんき出版
目次
はじめに クライアントのお金の悩みを解決するポジションをとる
プロローグ 「経営数字力」で他のコンサルタントと差別化しよう!
第1章 コンサルタントが経営数字に関わると得られる2つのこと
第2章 経営数字に関わるから高額報酬&長期契約が得られる
第3章 決算書なしでもできる 「お金のブロックパズル」の作り方
第4章 「お金のブロックパズル」で会社を変える具体策を洗い出す
第5章 「お金のブロックパズル」で実際に経営改善をしてみよう
第6章 「お金のブロックパズル」でドンブリ経営の不安を解決する
第7章 数字を共有すれば、社長と社員との危機感のズレもなくなる
第8章 次のビジョンを「お金のブロックパズル」で裏付ける
エピローグ 「経営数字」を身につけた先にあるもの
「コンサルタントの経営数字の教科書」の表紙見返しにいただいた直筆サイン
※和仁達也先生の他の著書「お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ」については以下の記事をご参照ください。
※キャッシュフローコーチ®については、以下の記事をご参照ください。