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社長の仕事とは?成長企業の特徴とは?わかりやすく解説

社長の仕事とは?成長企業の特徴とは?わかりやすく解説

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  2018年6月18日

社長

社長の仕事とは何でしょうか。成長企業の特徴とは何でしょうか。

いろんな考え方があり、そのどれも間違いではないでしょう。また、社長の仕事が何であるかについては、企業規模によっても多少の相違があるでしょう。

ここでは、社員30人以下の中小企業を想定します。その場合、社長の仕事のうち、重要なものは以下の3点であると考えます。

1.経営方針を決める
2.事業運営のしくみを作る
3.後継者、または経営幹部を育てる

それぞれについて説明します。

1.経営方針を決める

社長の仕事の第一は、経営方針を決めることです。

「経営方針を決める」とは、企業経営において、
・何を重視するのか。
・どちらの方向に向かっていくのか。

をはっきりさせることです。

方向性

経営方針と似た言葉に、経営戦略や経営目標があります。

経営戦略とは
、経営方針を実現するために、何を行うか。どうやって経営方針を実現するかを言います。

経営目標とは、企業が到達を目指す、ゴールです。ただし、最終的なゴールではなく、中間点のマイルストーンであることもあります。経営目標は、数値化されることが一般的です。

具体例で確認してみましょう。

(例1)製造業A社

項目 内容
経営方針 自社製品比率を高めることで、利益率を向上させ、持続可能な企業成長を実現する。
経営戦略 自社のコア技術である***を活用した新商品で、***分野に参入する。
経営目標 自社製品比率を***年までに**%にする。

例1では、自社製品比率を高めることが経営方針です。そのための具体策として、コア技術を活用して新分野に参入することとしています。これが経営戦略です。

経営目標としては、どの程度まで自社製品比率を高めるのかについて数値目標を設定しています。

(例2)小売業B社

項目 内容
経営方針 多店舗展開によって、企業成長を図ると同時に、企業ブランド価値を向上させ、社員にやりがいのある働く場を提供しつづける。
経営戦略 ドミナント戦略で、配送コスト低減と地域内での認知度向上を図る。
経営目標 ***年までに**エリアに**店の店舗を新規出店する。

例2では、多店舗展開によって企業成長と企業ブランド価値の向上を図ることを経営方針としています。どのように多店舗展開するのかという具体策として、ドミナント戦略を採用することを経営戦略としています。

ドミナント戦略とは、特定地域内に集中的に店舗展開する戦略のことです。特定地域内での集中的な多店舗展開によって、地域内での認知度を高められる点や、配送などの経営効率が向上する点にメリットがあります。

経営目標としては、新規出店数を取り上げています。

企業として、中長期的にどこを目指すのか。これを決めることができるのは社長だけです。

そのために必要なことがいくつかあります。たとえば、以下などです。

1.業務視点ではなく、経営視点で物事を見ること。
2.短期的な視点だけでなく、中長期的な視点を持つこと。
3.事業環境変化に合わせた取捨選択を行うこと。

経営方針が明確になることで、やるべきこととやらないことの線引きが明確になり、限られた経営資源を集中させることができます。経営方針が明確になることで判断基準や物事の優先順位も明確になります。

経営方針にもとづいて、やるべきこととやらないことを決めることが経営戦略であるとも言えます。

なお、戦略の下位概念に戦術があります。戦術とは、戦略を具体的にどう行うかという方策を指します。

戦略が何を行うか(what)であるのに対して、戦術はどのように行うか(how)です。

上記例1の例では、どのような企業にどのようにアプローチするかなどの具体策が戦術になるでしょう。

上記例2の例では、どのような立地に、どのような外観、どのような品揃えの店舗を出店するか、どのような販売促進策で集客するかなどの具体策が戦術になるでしょう。

ただし、戦術は戦略の下位概念です。戦略が明確でなければ、戦術が功を奏することはできません。上位概念である経営戦略を明確化させるためには、まずは経営方針を明確化することが必要です。

経営方針を明確化すること。つまり、何を重視するかを決めること。これは、社長の最重要の仕事と言えるでしょう。

2.事業運営のしくみを作る

社長の仕事の第二は、事業運営のしくみを作ることです。

会議

理由は、企業規模の成長に伴って、組織として仕事をすることが必要になってくるためです。

創業期のまま、いつまでも社長がトッププレイヤーの組織では、社長自身の能力上の制約や社長の工数不足がネックとなり、企業の持続的な成長が実現できません。

社長にも得意分野、不得意分野があります。不得意分野については、他の人が活躍できる組織体制にする方が企業として力を発揮できるのです。

また、社長が一人でがんばる組織では、社長という人的資源の限界が組織の限界に直結してしまいます。

企業として持続的な成長を目指す場合、どこかのタイミングで、個人能力依存から、組織として仕事をする経営に転換する必要があります。

そのためには、組織として仕事ができるように事業運営のしくみを作ることが必須となります。

具体的には以下などに取り組む必要があります。

1.事業計画を作成し、行動計画に展開し、それを社内に周知徹底する。
2.管理職を育成し、権限移譲を進める。
3.各役職の責任と権限を明確化し、自律的な職務遂行を促進する。
4.会議体など情報共有のしくみづくりを行う。
5.業務ピロセスの標準化などにより、誰でも同じレベルで仕事ができる仕組みを構築する。
6.業務分担の複数体制化などで業務の脱属人化を図る。

このような全体最適での視点で、事業運営のしくみ作りができるのは、中小企業では、社長をおいて他にはいないでしょう。

なお、事業計画と行動計画の違いを説明します。

事業計画とは、経営方針を受けて、事業としていつ何をするか。また目標とする数値計画を指します。数値計画の目標値をKGI(Key Goal Indicator)と言います。

指標としては、たとえば
総資産経常利益率(=経常利益÷総資産×100)などが考えられます。理由は、企業とは、資本を投下し、企業活動によって利益を創出する存在であるからです。

収益力の総合的な指標である、総資産経常利益率を見ることで、どの程度の収益力のある会社であるかを見ることは一つの指標となるでしょう。

また、企業存続の観点で、自己資本比率(自己資本÷総資産×100)を目標の指標とすることも行われています。

一方で、行動計画とは、数値計画を実現するために、誰がいつまでに何をするかを具体的に定めた計画です。アクションプランとも言います。

行動計画の目標値をKPI(key performance indicator)と言います。KPIは管理可能な行動目標にすることが望ましいです。

KGIはゴール指標であると同時に結果指標です。直接コントロールすることはできません。KPIと紐づけることで初めて実現可能な数字となります。

3.後継者、または経営幹部を育てる

社長の仕事の第三は、後継者、または経営幹部を育てることです。

引継ぎ

後継者を育てる理由は、企業がゴーイングコンサーンであるためです。
ゴーイングコンサーンとは、「存続しつづける存在」という意味です。

企業は存続しつづけることで、利害関係者に価値を提供しています。

・顧客に価値ある商品やサービスを提供しています。
・仕入先や外注先には仕事を提供しています。
・社員には働く場ややりがいや給与を提供しています。
・国や地域には税金を還元しています。

存続しつづけることが企業の大きな使命なのです。この使命を完遂するためには、次世代に経営を引き継げるように、後継者を育てていかなくてはなりません。

後継者を育てることは、社長にとって最後で最大の仕事と言えるでしょう。

社長が30代や40代などで、後継者育成については、まだ実感が持てない場合もあるかもしれません。そうした場合には、まずは経営幹部の育成に取り組みましょう。

社長が一人でがんばる文鎮型組織では、社長に万一のことがあったときに対応できません。また、「社長対社員」という対立構造に陥るリスクもあります。

「社長対社員」という対立構造に陥る理由の一つ目は、まずは圧倒的に権限の差があることです。

社長は給料を払う側です。社員は給料をもらう側です。雇う人と雇われる人という立場の違いが対立構造を生み出す場合があるのです。

「社長対社員」という対立構造に陥る理由の二つ目は、多くの場合、社長と社員間の能力やスキルの差が大きいからです。

社長は「自分のビジネス」という当事者意識で自らチャレンジしています。多くの場合、社員は指示されて、受け身で仕事をしています。

主体的に考え、実行し、成功した、または失敗したという経験を積まないと人は成長できません

社長は、この経験を積んでおり、社員には経験を積む機会が少ない。この差が能力やスキルの差を生み出します。

さらには、社長は「自分のビジネス」という当事者意識、危機意識をもって、広く情報収集し、勉強していることが多いです。社長と社員間で圧倒的な能力の差、スキルの差があるのは仕方のないことです。

しかし、社長と社員の意識や能力・スキルの格差が、社長と社員の危機意識のギャップや、社内の一体感の阻害要因になっているとしたら、残念なことです。

こうした場合は、まずは経営幹部の育成に取り組むことが必要です。社長と一般社員のかけ橋となる経営幹部を育成することが、社長の考え方の社内周知や、具体策への展開という意味で非常に有効であるためです。

また早期に経営幹部の育成に取り組むことは、企業規模が成長したときの組織づくりの面でも意味があります。人材育成には時間がかかります。企業規模が成長した後で、あわてて経営幹部を育成しようとしても、すぐにはできないのです。

4.成長企業の特徴とは

なお、業種を問わず、多くの成長企業に共通的に見られる特徴があります。成長企業の共通点です。

成長企業

【成長企業の共通点】

1.経営方針と経営目標が明確である。
2.責任と権限の所在が明確で意思決定が速い。
3.事業環境変化に合わせたチャレンジをしている。
4.社員が成長できる環境を作っている。
5.IT投資をしている。
6.顧客志向である。
7.社内の風通しがよく情報共有がされている。

こうした企業では、社長が社長の仕事をしていると言えるでしょう。一方、上記を反転させると以下になります。

【成長企業ではない企業の共通点】

1.経営方針や経営目標が明確にされていない。または社内共有されていない。
2.責任と権限の所在が曖昧で意思決定が遅い。
3.事業環境変化を直視せず、漫然と旧来のやり方に固執している。
4.社員にチャレンジをさせない。また社員教育に投資をしていない。
5.IT化が推進されておらず、経営管理が不十分である。
6.顧客が軽視されている。志向が外向きではなく、内向きである。
 (社内の上下関係に必要以上に意識を向けるなど)
7.社内の風通しが悪く、情報が共有されていない。

こうした企業では、社長が社長の仕事をしていないと言えるでしょう。

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この記事を書いた人

知的資産とキャッシュフローの両面から、企業のビジョン実現をサポートする中小企業診断士・認定キャッシュフローコーチ® https://www.officeair.net



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