メニュー

歯科医院の平均の売上・利益は?歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の平均収入は?わかりやすく解説(2023年版)

歯科医院の平均の売上・利益は?歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の平均収入は?わかりやすく解説(2023年版)

投稿者
  2023年12月7日

歯科医院の平均の売上・利益は?歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の平均収入は?

「人件費はどれくらいが適正なんだろうか?」
「そもそもウチは世間一般と比べて、稼いでいる方なのか?どうなのか?」
人と比べる必要はないものの、世間相場が気になるのは人情ではないでしょうか。
歯科医院の一般的な売上はいくらくらいなのか。
人件費はどれくらいが一般的なのか。
歯科医院の平均値について解説します。

1. 歯科医院の平均売上・利益は?

歯科医院の平均の売上・利益については、厚生労働省が2年に一度「医療経済実態調査」を実施しています。

下表は、歯科医院のうち医療法人の平均の売上・利益を表しています。(回答数 148医院)

(1) 歯科医院(医療法人)の平均売上・利益は

科目 NO 2021年 構成比 2022年 構成比 伸び率
保険診療収益 1 77,668 71.0% 78,427 70.4% 101.0%
その他医業収益 2 31,184 28.5% 32,341 29.0% 103.7%
介護収益 3 559 0.5% 584 0.5% 104.5%
収益合計 4 109,411 100.0% 111,352 100.0% 101.8%
医薬品費 5 1,135 1.0% 1,139 1.0% 100.4%
歯科材料費 6 8,817 8.1% 9,170 8.2% 104.0%
委託費 7 5,919 5.4% 6,414 5.8% 108.4%
変動費 8 15,871 14.5% 16,723 15.0% 105.4%
粗利 9 93,540 85.5% 94,629 85.0% 101.2%
給与費 10 51,983 47.5% 53,362 47.9% 102.7%
減価償却費 11 4,965 4.5% 5,033 4.5% 101.4%
設備機器賃借料 12 580 0.5% 593 0.5% 102.2%
医療機器賃借料 13 297 0.3% 293 0.3% 98.7%
その他 14 25,303 23.1% 25,725 23.1% 101.7%
その他固定費 15 31,145 28.5% 31,644 28.4% 101.6%
固定費 16 83,128 76.0% 85,006 76.3% 102.3%
利益 17 10,412 9.5% 9,623 8.6% 92.4%
税金 18 2,015 1.8% 1,488 1.3% 73.8%
税引後利益 19 8,397 7.7% 8,135 7.3% 96.9%
減価償却費 20 4,965 4.5% 5,033 4.5% 101.4%
本業キャッシュフロー 21 13,362 12.2% 13,168 11.8% 98.5%

(出典:「第24回医療経済実態調査報告」(令和5年11月)(単位:千円)
※委託費は、人材委託費、紹介手数料を除いた金額

売上が前年比101.8%の1億1,135万円。一方で、利益は前年比92.4%の962万円。
ここから税金を引いて、支出を伴わない費用である、減価償却費を足し戻した金額が1,317万円。これが本業のキャッシュフローです。

この本業のキャッシュフロー1,317万円から
・借入返済
・設備投資
が支出されることになります。

医療法人の歯科医院のユニットチェア数の平均は、同じ調査結果で5台とされています。
上表の売上、利益、本業キャッシュフローをそれぞれ5で割ると、
売上 22,270、利益 1,925、本業キャッシュフロー 2,634 になります。

つまり、1ユニット当たり、22百万円の売上、192万円の利益、263万円のキャッシュフローを生み出していると言えます。

ただ数字を見慣れない場合、上の表を見てもピンと来ないかもしれません。
より直感的にわかりやすくするために、上の表の数字をもとに「お金のブロックパズル」の形式にしたものが次の図です。

(2) 歯科医院(医療法人)のお金のブロックパズルは



11,135

変動費 1,672

9,463

(粗利率)
(85.0%)



8,501

人件費
5,336
(労働分配率)
(56.4%)
その他
3,164
利益 962 税金 149 減価償却費
503
借入金の返済
税引後利益 814 設備投資 427
繰越金

(出典:「第24回医療経済実態調査報告」(令和5年11月)(単位:万円)
※ 設備投資額の出所:「機能別集計等:設備投資額の状況」

表と図を見比べてみていかがでしょうか。表で数字を見るよりも、売上、粗利、利益、本業キャッシュフローの関係、さらに、その本業キャッシュフローから借入の返済や設備投資を賄う必要があることがよりわかりやすくイメージできるのではないでしょうか。

また、自医院のお金のブロックパズルを描いてみて、この図と何が違うのか。どこに伸びしろがあるのか。考えるヒントに使ってみてもいいのではないでしょうか。

2. 歯科医院の職種別平均給与は?

では、歯科医院の職種別の平均給与はどの程度なのでしょうか。
下表は、2022年(または2022年度)の歯科医院の職種別平均給与と賞与の合計額です。

職種 医療法人 個人医院
院長 1,528万円
歯科医師 704万円 557万円
歯科衛生士 288万円 283万円
歯科技工士 399万円 464万円
事務職員 237万円 274万円
施設数 148件 281件

(出典:「第24回医療経済実態調査報告」(令和5年11月)

これを見ると、医療法人の院長の年収は、1,528万円、
歯科医師は、医療法人で704万円、個人医院で557万円、
歯科衛生士は、医療法人で288万円、個人医院で283万円、
歯科技工士は、医療法人で399万円、個人医院で464万円、
事務職員は、医療法人で237万円、個人医院で274万円となっています。

3.データダウンロード

なお、第19回から第24回の「医療経済実態調査報告」から歯科医院の損益と職種別給与を抽出したデータを以下からダウンロードできます。自医院の経営のベンチマークなどにご活用ください。

NO 資料名 公表日 調査対象
1 第19回 医療経済実態調査(医療機関等調査) 2013年11月19日 2011年・2012年
2 第20回 医療経済実態調査(医療機関等調査) 2015年11月 4日 2013年・2014年
3 第21回 医療経済実態調査(医療機関等調査) 2017年11月 8日 2015年・2016年
4 第22回 医療経済実態調査(医療機関等調査) 2019年11月27日 2017年・2018年
5 第23回 医療経済実態調査(医療機関等調査) 2021年11月24日 2019年・2020年
6 第24回 医療経済実態調査(医療機関等調査) 2023年11月27日 2021年・2022年

<< ダウンロード >> → 歯科医院損益・職種別給与レポート(2011-2022年).xlsx

投稿者

この記事を書いた人

キャッシュフローコーチ®。経営数字と理念の専門家として、経営数字の見える化による意志決定支援と、社員が自律的に動き、成果が生まれるしくみ作りに取り組んでいる。 https://www.officeair.net



カテゴリー

キャッシュフロー経営

よくわかる!キャッシュフロー計算仕事に役立つヒントが見つかる!会社員の体験談